日本IDDMネットワークが京都府立大学へ400万円を助成
全国の1型糖尿病患者とその家族を支援するため活動する日本IDDMネットワークが、京都府立大学に新たに400万円の研究助成を行うことを発表しました。この助成は1型糖尿病の根絶を目指す研究に向けたもので、日本全国の方々からの寄付が財源となっています。
研究助成の概要
日本IDDMネットワークは、平成28年に行った1000万円の助成金に続くもので、京都府立大学における研究のさらなる進展を鼓舞するための400万円を贈呈する式典を行う予定です。贈呈式は、2021年1月15日(火曜日)に京都府立大学の学長室で実施されます。
この助成金の対象となるのは、研究テーマ「バイオ人工膵島移植実現に向けた感染症検査体制の構築」です。京都府立大学大学院の井上亮講師が研究の代表者となり、ブタの膵島を利用した臨床試験に向けた安全性の確保を目的としています。
研究の重要性と手法
バイオ人工膵島移植は、現在注目を集めている医療技術で、多くの患者に新しい治療法を提供できる可能性があります。井上教授は、短時間で高感度な検査を行える体制を整えるため、2種類の方法—PCR法とメタゲノム法を駆使して、無菌ブタの膵島細胞が安全であることを確認する研究を進めています。
- - PCR法では、病原体のDNAやRNAを検出するための「プライマー」などの技術が使われ、エボラやジカ熱の検査にも応用されています。
- - メタゲノム法は、次世代の遺伝子解析技術を用い、網羅的に病原体を検出する方法です。これにより、未特定の病原体も発見できる可能性があると言われています。
研究の支援
日本IDDMネットワークは、2005年に設立した研究基金を通じて、4660万円もの資金を47件の研究に助成してきました。そして、この基金に支えられた活動は、患者やその家族の想いを直接的に反映したものであり、さらなる研究と支援の継続を目指しています。
1型糖尿病の現状
1型糖尿病は、原因不明で小児期に発症することが多い難病です。この病を持つ人は、生涯にわたってインスリン注射やポンプによる治療が必要であり、精神的・経済的な負担も大きいのが現実です。現在の国内での発症率は非常に低く、その珍しさが患者や家族の孤立を招く要因ともなっています。
交流イベントの開催
贈呈式の後、患者やその家族が研究室を訪問するイベントも企画されています。ここでは、患者と研究者が共に「治る未来」を語り合うことで、研究者のモチベーションを高めることが期待されています。イベントは同日の午後に行われる予定です。
お問い合わせ
日本IDDMネットワークへのご質問やご支援に関するお問い合わせは、以下の情報を参照してください:
この研究助成が、1型糖尿病の治療法や予防策の発展につながることを願っています。