「スマート置き配」導入の背景と詳細
株式会社ハウスセゾンエンタープライズは、AIとIoTを活用した不動産管理の専門企業、株式会社ライナフと業務提携を締結しました。これにより、ハウスセゾンエンタープライズが管理する物件に、画期的な置き配サービス「スマート置き配」が導入されます。この新しい取り組みは、2024年4月に施行される働き方改革法案や物流問題に対処するために設計されており、特に非対面での荷物受け取りを必要とする宅配利用者に人気です。
物流問題を解決する鍵
物流業界は、2024年問題として運送ドライバーの労働時間が制限されることが懸念され、さらに2030年問題においては配達員不足が深刻な課題とされています。このような状況の中で、消費者による宅配需要は高まり、彼らはより便利で安全な方法で荷物を受け取ることを求めています。政府も「再配達率の半減」を目指す政策を打ち出しており、置き配の導入はその一環として不可欠な要素となっています。
「スマート置き配」の仕組み
ライナフが提供する「スマート置き配」は、オートロック付きマンションなどの共同住宅において、共用エントランスをデジタル化した管理方法を採用しています。このシステムでは、認証された配送業者が特定の置き場所に荷物を届けることができるオートロックを自動的に解錠する機能を備えています。この技術により、居住者が不在時でも安全に配達が行えるため、再配達の必要が大幅に減少します。
システムは「Ninja Entrance」と呼ばれ、宅配業者の入館履歴が自動記録されるため、居住者の安心感を高めています。また、初期費用やランニングコストがかからないため、導入が難しかった物件でもスムーズに実施できるといった利点もあります。
企業の視点
ハウスセゾンエンタープライズの代表取締役である奥山秀昭氏は、今回の提携によって「現在の物流の問題解決に寄与し、建物の付加価値を高める機会」と見ています。初めて「スマート置き配」サービスを導入する物件として選ばれたのは「リバーサイド高野」で、この後、同社が管理する他の物件や管理外のマンションオーナーにもサービス提案を進めていく予定です。
ライナフの代表取締役滝沢潔氏は、国と大手EC企業の取り組みにより、再配達削減の動きが加速していると指摘。関西エリアにおける「スマート置き配」の普及が導入シェアを高める重要なステップになると話しています。
会社概要
2014年に設立されたハウスセゾンエンタープライズは、明豊エンタープライズグループの一員であり、主に京都や滋賀で2450戸以上の建物管理を手掛けています。一方、ライナフはAIとIoT技術を駆使して、不動産管理の効率化を図る企業であり、56000棟を超える「スマート置き配」方法の普及に努めてきました。両社はこの新しい提案により、今後さらに多くの居住者の利便性を向上させることが期待されています。
最後に、ハウスセゾンエンタープライズの取り組みは、社会的な物流課題に対する新たな解決策としても注目されています。