デジタルアダプションの実態
2023-06-29 11:00:03

日本の企業におけるデジタルアダプションの実態調査:DX推進の課題と解決策を探る

日本の企業におけるデジタルアダプションの実態調査:DX推進の課題と解決策を探る



近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる中、日本の企業におけるデジタル技術の活用状況や課題は依然として大きな焦点となっています。一般社団法人日本デジタルアダプション協会は、デジタル技術の利活用と定着を促進する「デジタルアダプション」に関する調査を実施し、その実態を明らかにしました。本記事では、調査結果を詳細に分析し、日本の企業におけるDX推進の課題と、その解決策を探ります。

調査結果から浮かび上がる課題



協会が実施した「2023役職別・企業規模別デジタルアダプション実態調査」では、全国の会社員900名、情報システム部所属社員250名、経営者層300名を対象に、デジタルアダプションに関する意識や現状を調査しました。その結果、いくつかの重要な課題が浮き彫りになりました。

まず驚くべきは、「デジタルアダプション」という言葉自体を知らない、もしくは聞いたことがない人が約65%にも上ったことです。これは、デジタルアダプションという概念が、まだ広く浸透していないことを示しています。

さらに、業務でアプリやソフトウェアを利用している人の約92%が、利用方法や操作に困った経験があると回答しました。困った際に情報システム部に連絡する人が30%おり、情報システム部には、1日に数件以上の問い合わせに対応する人が約45%もいるという現状も明らかになりました。これは、導入されたアプリやソフトウェアの使い勝手が悪く、ユーザーサポート体制が十分でないことを示唆しています。

経営者層の約70%が自社のDXに課題を感じていると回答しており、その課題として「導入効果が見えない/費用対効果が測れない」、「導入アプリ・ソフトフェアを活用しきれていない」などが挙げられました。これらの課題は、デジタルアダプションの不足、つまりデジタル技術の適切な活用と定着が進んでいないことに起因する可能性が高いです。

情報システム部員の約40%が、アプリやソフトウェアの導入業務に最も多くの時間を費やしており、約15%が社員からの問い合わせ対応に負担を感じている一方で、約40%が、新たなアプリやソフトウェア導入時の社内周知や障害対応に負担を感じているという結果も出ています。

デジタルアダプションによる課題解決



これらの課題を解決するために、日本デジタルアダプション協会は「デジタルアダプション」という概念を重視しています。デジタルアダプションとは、単にデジタル技術を導入するだけでなく、社員がその技術を理解し、実際に業務で活用し、定着させることを意味します。

調査結果から、多くの企業がデジタル技術の導入に注力する一方、その活用方法やサポート体制が不足していることが明らかになりました。そのため、ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つアプリやソフトウェアの開発、分かりやすい操作マニュアルの作成、そして社員への適切なトレーニングが不可欠です。さらに、情報システム部員の業務負担軽減のための効率的なシステム構築や、デジタルリテラシーの向上のための社内研修も必要です。

今後の展望



日本デジタルアダプション協会は、今回の調査結果を踏まえ、デジタルアダプションの普及と正しい理解の促進に力を入れるとしています。協会は、「誰にとっても利用しやすい、使いやすいデジタル」を実現するために、情報発信や啓発活動などを積極的に展開していく予定です。

日本の企業が真にDXを推進するためには、デジタル技術の導入だけでなく、その活用と定着を促進するデジタルアダプションが不可欠です。本調査結果をきっかけに、企業はデジタルアダプションへの取り組みを強化し、より効率的で生産性の高いビジネスを実現していくことが期待されます。

会社情報

会社名
一般社団法人日本デジタルアダプション協会
住所
東京都渋谷区渋谷2-24-12渋谷スクランブルスクエア39階
電話番号

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。