別府温泉で展開される障がい者アートプロジェクト
大分県別府市に位置する杉乃井ホテルが、2025年7月から障がい者アーティストの作品を採用したラッピングバスの運行を開始します。この取り組みは、別府市の文化芸術の振興を目指したもので、地域のアーティスト支援を通じて、アートを身近に感じてもらう狙いがあります。
アートバスのデザインと特徴
ラッピングバスは、特に目を引くデザインで溢れています。昼夜の湯けむりをテーマにしたシーンには、宇宙を泳ぐクジラやイルカが描かれています。さらに、障がい者アーティスト小野雅大氏の動物シリーズも取り入れられており、別府の自然や動物たちが遊ぶ楽しい世界観を生み出しています。バスの前面には地元の竹細工をモチーフとしたカマキリのデザインが施され、後面には別府駅の観光を支えた油屋熊八の像が描かれています。このバスでアートを楽しむことで、地域の歴史と文化への理解も深まることでしょう。
別府市のアート振興と地域活性化への取り組み
別府市では、1998年から「別府アルゲリッチ音楽祭」をはじめとする数多くのアートイベントが開催されています。また、NPO法人「BEPPU PROJECT」による若手アーティストや地域アートの支援も続ける中、街全体でアートと共生する文化を育てています。これにより、地域住民の創作活動が活性化し、移住や定住を促す新たな魅力あふれる街へと進化を遂げています。
障がい者アーティストの支援
今回のラッピングバスのプロジェクトは、株式会社naNkaが中心となり、多くの視覚的表現を込めています。障がい者就労支援に取り組むこの企業は、アーティストたちが作品を制作する過程やその思いを大切にしながら、商品開発や販売までを一貫して手がけています。naNkaの代表、梅本弥生氏は「支援と共感、協業の先にこそ、アーティストの未来が開ける」と語ります。
サステナビリティへの配慮
杉乃井ホテルは、単なる宿泊施設にとどまらず、地域の文化発展を強く志向する宿です。また、温泉リゾートとしてのサステナビリティに向けた取り組みも進めています。環境への配慮や地域との共生を重視し、「おもいやりのあるサービス」を提供することをコンセプトにしています。
まとめ
杉乃井ホテルが手がけるこのアートプロジェクトは、別府の文化とアートを新しい形で表現する素晴らしい試みです。このラッピングバスは、観光客にアートと地域の深いつながりを伝え、さらなる地域活性化の一助となることでしょう。様々な取り組みが行われている別府で、安心してアート体験を楽しむことができるこの新しい交通手段に、ぜひご注目ください。