つかこうへいの名作を1973年版で再演
日本の演劇界における重要な作品である「熱海殺人事件」が、2025年5月22日から25日まで東京都台東区の上野ストアハウスで上演されることが発表されました。この公演は、9PROJECTが主催し、1973年の初演版を忠実に再現するという珍しい試みです。
話題の公演、注目のキャスト
昨今では全国各地で上演され続けている「熱海殺人事件」シリーズですが、この初演版をそのまま演じる機会は非常に稀です。今回の再演では、つかこうへいに師事した俳優たちが集結し、作品の持つ魅力を田舎の浜辺に生きる人々を通じて描き出します。
出演者には、かつて北区つかこうへい劇団に所属していた「2期生」の吉田智則、華やかなキャラクターで幅広い舞台で活躍する「5期生」の友部康志、9期生の高野愛など、実力派の俳優たちが揃っています。また、最近の舞台で注目を浴びている若手俳優の芝原れいちも加わり、非常にエネルギッシュなキャスティングとなっています。
1973年版にこだわる理由
「熱海殺人事件」は、当時としては革新的な内容を持ち、今でも多くの方に親しまれています。つかこうへいは「たとえ何十年経とうと、『熱海』は依然として力強さを持ち続ける」と語ったことからも、そのテーマやメッセージが色褪せないことがわかります。この再演では、裕福ではない環境での人々の葛藤や、社会に対する目線がどのように描かれるのか注目が集まります。
特に、初演当時の戯曲に脚色を加えず、純粋に作品の核心を届けることにこだわる点が、演劇ファンにとって興味深いポイントです。つかこうへいがいかにこの作品に情熱を注いでいたのかを知る手助けになるでしょう。
ストーリーの背景
作品の基本的なあらすじは、熱海の浜辺で製紙工場の女工が殺され、警視庁捜査一課と絡む刑事たちのドラマを描きます。物語は一見すると平凡な事件のように思えますが、刑事たちがどのようにしてその事件を大きなものに描こうとするのかが、作品をさらに鋭く、魅力的なものにしています。特に「警視総監殿、日本は今大きく病んでおります」というセリフからは、当時の社会への鋭い洞察を感じることができます。
チケット情報
公演は5月22日から25日までの期間に亘って行われ、全席自由・税込のチケット料金が設定されています。平日割引では、通常4,000円のところ3,500円で入場することができ、土日の場合は割引適用後が4,300円から3,800円になります。チケットはカンフェティを通じて販売中で、特典が付与される会員登録も可能です。公演は開演の1時間前から受付が始まり、開場は30分前です。
まとめ
2025年の春、つかこうへいの名作を原点に立ち返るこの舞台をぜひ体験してみてください。その芸術的な深みとともに、現代においても通じるメッセージを感じることができる機会です。奮ってご参加ください!