AI技術を利用した山岳トンネル工事向け遠隔監視システムの紹介
近年、建設業界ではAI技術の導入が進んでいます。その中でも、鉄建建設株式会社が新たに開発した山岳トンネル工事向けの遠隔監視システムが注目を集めています。このシステムは、トンネル掘削作業の進捗をリアルタイムで把握し、安全管理を強化するための二つの主要な機能を備えています。
システムの主な機能
1. 作業別ガントチャート自動作成システム
新しく導入された作業別ガントチャート自動作成システムでは、現場に設置されたWebカメラから得られる映像データをAIが解析します。この機能により、作業種別ごとの時間帯を自動的に識別し、作業工程のガントチャートをリアルタイムで生成することが可能です。これによって、作業時間の割合を円グラフで表現することもでき、週単位または月単位での集計・分析に対応します。これにより、工程管理の効率化と生産性の可視化が実現し、マネジメントの質を向上させます。
2. 切羽危険エリア侵入自動警報発報システム
次に紹介するのは、切羽危険エリア侵入自動警報発報システムです。このシステムは、映像内に映る作業員の動きをAIが解析し、危険エリアへの侵入を即座に検知します。侵入が確認されると、警報が自動で発報され、ヒューマンエラーによる事故を未然に防止します。危険エリアはリモート操作で自由に設定できるため、柔軟かつ高度な安全管理が可能になります。
開発背景と課題
山岳トンネル工事においては、進捗状況をリアルタイムで把握することが、建設の生産性向上、工程管理の効率化、そして労働時間の適正管理に直結します。しかし、従来の方法では人手による記録や監視が中心であったため、人員不足や人的な負担の増加が課題となっていました。そして切羽付近の危険エリアにおける作業員の動きを目視で確認することにも限界があり、より安全かつ確実な管理の方法が求められていました。
今後の展開
鉄建建設は、この新しい技術を山岳トンネル工事に留まらず、他の土木工事現場にも展開することを視野に入れています。AI技術による建設DXの推進に積極的に取り組み、今後も安全で効率的な工事現場の実現を目指しています。
この取り組みは、効率的な作業管理と高い安全性を実現することが期待されており、今後の進展に大いに注目が集まります。