ぴあ関西40周年を祝う特別な「船乗り込み」と七月大歌舞伎
ぴあ関西が設立から40周年を迎え、特別なイベントが開催される。7月5日から大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」がその中心だ。この公演には、名だたる上方歌舞伎の俳優たちが揃い、観客を魅了する準備が整っている。特に見逃せないのは、295年続く伝統を受け継ぐ八代目尾上菊五郎と、若手の六代目尾上菊之助の親子襲名披露公演だ。
公演では、趣向を凝らしたいくつかの演目が上演される。まず注目なのは『羽根の禿(はねのかむろ)』で、六代目菊之助が美しい遊女見習いの姿を見事に表現。江戸時代の吉原を舞台に、羽根つきで遊ぶシーンは必見だ。また、八代目菊五郎が挑む『うかれ坊主(うかれぼうず)』では、江戸時代の滑稽な芸を披露し、高い技巧が要求される。さらに、八代目が演じる小悪党・髪結新三が登場する『梅雨小袖昔八丈』は、江戸の情緒を感じることができる作品だ。そして、舞踊劇の名作『土蜘(つちぐも)』は、特にそのストーリー展開と演技の繊細さで観客を引き込み、八代目菊五郎と六代目菊之助の親子共演が光る。
船乗り込み:江戸時代から続く伝統
「七月大歌舞伎」の開幕に先駆けて行われる「船乗り込み」は、江戸時代から続く古式ゆかしい行事だ。このイベントは、歌舞伎俳優が江戸や京都から大阪に向かう際に行われていたもので、昭和54年と55年に復活して以来、毎年の夏の大歌舞伎のスタートを告げる重要な儀式となっている。今年は特に、ぴあ関西の40周年を記念して、20年の時を経て「ぴあ船」が再び出船予定。このイベントは、ただの伝統行事にとどまらず、参加者にとって特別な体験となる。
「船乗り込み」は、7月1日(火)に開催され、集合は本町橋の船着場に13:30、出航は14:20を予定している。乗船券の抽選申し込みは、6月14日(土)からスタートする。その際、七月大歌舞伎のチケットを購入した方のみが当選対象となるため、早めの行動が求められる。参加者は、豪華な歌舞伎俳優たちの乗る船を囲みながら、鐘や太鼓の演奏を楽しむことができる。
演目とチケット情報
「七月大歌舞伎」は、7月5日から24日までの開催で、10日と17日は休演日となる。チケットは一等席が22000円、二等席が11000円、三等席は6000円と、観劇を楽しむための多様な選択肢が用意されている。これまでの伝統を受け継ぎながらも、新しい表現を追求する歌舞伎の魅力に触れられること間違いなしだ。
出演者のラインナップも豪華で、八代目尾上菊五郎を中心に、片岡仁左衛門、中村鴈治郎、中村扇雀など、錚々たるメンバーが揃っており、各演目ごとに異なる出演者が登場するため、何度訪れても新しい発見がある。
観客はこの機会を逃さず、伝統芸能の素晴らしさとともに、特別な夏のひとときを刻んでほしい。
さらなる詳細やチケット購入については、大阪松竹座の公式ホームページをチェックしてみよう。観客の心に焼き付く素晴らしい体験が待っている。