農山漁村の価値を引き出す新ガイドラインが発表される！

農山漁村のインパクトを可視化する新ガイドライン

農林水産省が新たに発表した「農山漁村インパクト可視化ガイダンス」は、企業の農山漁村への参画を促進することを目的としています。このガイドラインは、企業が農山漁村における事業活動に伴う社会的および環境的な変化（インパクト）を可視化し、その効果を理解しやすくするためのものです。近年、ESG（環境・社会・ガバナンス）やSDGs（持続可能な開発目標）が企業活動において重要視される中、農山漁村は企業にとって新たな価値創造の場となる可能性を秘めています。

ガイドラインの重要性

このガイドラインは、単に企業に対する訴求だけでなく、農山漁村が直面するさまざまな課題を解決するための取り組みも含まれています。農林水産省では、1月からの検討会を通じて、地域の自治体や企業との議論を重ねてきました。この結果、企業が自社の重要課題と農山漁村のインパクトを関連付ける手助けとなる知見が得られ、ガイドラインとしてまとめられました。

このガイドラインには、インパクトとアクティビティの因果関係を示す具体例が43件提供されています。これにより、企業は自社の活動が地域に与える影響をより明確に把握し、参加しやすくなるでしょう。

資金拠出方法とマネジメント

加えて、このガイドラインでは、企業版ふるさと納税など、インパクトを活用した資金拠出の方法や、インパクトを測定し管理するための方法論も紹介されています。具体的には、取り組みに必要なロジックモデルの作成や、その結果の測定、情報開示の方法についても詳述されています。これにより、企業は自身の活動が地域社会に与える影響を積極的に評価し、報告することが可能になります。

新たに登場したガイドブック

一方、農山漁村での官民共創を実践するための「農山漁村官民共創実践ガイドブック」も発表されました。こちらは、熊本県におけるパイロット事業の成果をまとめたもので、自治体が企業とのマッチングを行う際の留意点や、地域課題の「共通言語化」、さらには具体的な手順を解説しています。

このガイドブックでは、実際に行われたマッチング事例や、マッチング後の事業化に向けて活用できる施策についても触れられています。これらの情報は、地域活性化に向けた具体的なイメージを持つ上で非常に役立つでしょう。