次世代の映像クリエイター育成プログラムが始動!
文化庁の補助金を基に設立された「文化芸術活動基盤強化基金」は、次代を担う新しい映像クリエイターの育成を目指し、令和6年度から「フィルム・フロンティア 滞在型企画開発」プログラムを実施します。このプログラムは、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が運営しており、広くクリエイターたちの可能性を引き出す取り組みとして注目されています。
この「クリエイター等育成プログラム」には昨年12月までに50件以上の応募があり、外部選考委員の厳正な審査を通過したのは4名の映画監督たちです。これらの若手クリエイターは、これから伴走アドバイザーの、面談や事前研修を経て、北米、欧州、アジアの三つの地域にて15日から30日間の滞在支援を受け、現地でメンターと共に企画や脚本を開発します。そして、帰国後もオンラインでフィードバックが行われ、海外のフィルムラボや企画マーケットにも挑戦します。
参加者の紹介
飯塚陽美
北海道出身の映像作家であり文化人類学者を目指す飯塚は、東京大学大学院で学びながら、自身が経験した多様な国々での生活を映像として表現してきました。彼女は、2022年に作成した『Lock Up and Down』をぴあフィルムフェスティバルに出展し、さらにプラハのベトナム人コミュニティを描いた『The Taste of Orange』が国際映画祭で上映されるなど、着実に評価を高めています。来年の東京国際映画祭にも出品予定の作品を持つ彼女に期待が寄せられています。
佐久間啓輔
1995年に愛知県で生まれた佐久間は、中学生のころからハリウッドに憧れ渡米。ディレクター兼シナリオライターとしてさらなる飛躍を目指します。彼の短編映画『Funny』は多くの映画祭で受賞しており、次作『Eatversity』もカナダの映画祭で評価されています。アメリカで磨いたスキルを武器に、更なる成長を遂げようとしています。
早川千絵
彼女の短編『ナイアガラ』は2014年のカンヌ国際映画祭で入選、2022年には長編映画『PLAN 75』で映画界に衝撃を与えました。この作品は国際的な評価を受け、日本アカデミー賞にも選出されています。彼女の最新作『ルノワール』が2025年に公開予定で、新たな挑戦に向けた情熱が感じられます。
山下つぼみ
神奈川県逗子市に在住する山下は、科学と映像を融合させた作品作りに取り組んでいます。彼女の短編『かの山』は、国内外の映画祭で高い評価を受け、自身の視点を持つ映像作家としての地位を確立しています。彼女は今、初の長編作品の製作に向けて励んでいます。
期待と願い
このプログラムが4名の若手クリエイターにとって新たな成長のステップとなり、日本映画界がさらなる発展を遂げることが期待されています。支援体制が整った彼らの挑戦が、他のクリエイターたちにも良い刺激を与え、映像業界全体の活性化につながることを願っています。外国での経験や学びが新たなインスピレーションとなり、彼らの映像作品に反映されることに注目が集まっています。
このプログラムへの参加は、彼らの未来にとって大切な一歩です。今後の動向が楽しみです。興味のある方は、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)へお問い合わせください。