深谷市で自動運転バスの導入が実現
埼玉工業大学と深谷観光バス株式会社が手を組み、深谷市内を走る自動運転バス「くるリン」が、全長37kmの運行を開始しました。この取り組みは、地域の交通利便性を高めることを目的としており、新たに自動運転技術を活用した公共交通手段が誕生しました。新バスの運行開始は令和7年4月に予定されており、これは国内の一般公道において営業運行される自動運転バスとしては最長距離のものとなります。
新しいコミュニティバス「くるリン」とは?
「くるリン」は、深谷市の観光名所を巡りながら、地域住民や観光客の足となることを目指しています。特に渋沢栄一翁の生誕地を通るルートが設定されており、新紙幣の発行に伴って増加する観光客に向けた便が用意されています。自動運転バスは、深谷駅北口を起点とし、当初は走行区間を限定して運行を始め、段階的に運行エリアを拡大していく計画です。
また、自動運転の技術は全長9mの最新型バスを使用しており、深谷自動運転実装コンソーシアムの協力により実現されました。これは、先進的な自動運転技術に対応した公共交通機関の一環として位置付けられています。
自動運転バスの稼働と運行スケジュール
運行コースの中には、北部シャトル便と周遊便があり、2024年4月12日から開始する予定です。運行スケジュールは深谷市の公式ホームページで詳細が確認できるため、乗車を予定している方は事前の確認を推奨します。ただし、7月から9月にかけて、大学のイベント等により運行が中止されることもあるため、最新情報をチェックすることが重要です。
車両の詳細と技術背景
今回導入された自動運転バスは、自動運転レベル4を目指した先進的な設備を備えており、ISUZUエルガミオを基にしたもので、61人の乗客を乗せることができます。これにより、歩行者や周囲の状況を認識できるセンサーやカメラが搭載されています。また、オープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutowareを導入し、さらなる進化を期待されています。
埼玉工業大学は、2017年から地元で実証実験を行い、積み重ねた経験を基にこの新しいバスを開発しました。これにより、地域での自動運転技術の実用化を進めており、今後の展望にも注目が集まっています。
地域観光の促進に向けて
新たに運行する「くるリン」は、深谷市の観光促進にも寄与することが期待されており、地域の魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。この取り組みによって、深谷市が持つ歴史的な背景や観光資源を効率的に楽しむことができるようになります。自動運転技術の導入は、今後の地域交通の形を大きく変える可能性を秘めており、注目のプロジェクトです。
新しい時代の交通手段として、深谷市のコミュニティバスがどのように進化していくのか、今後の情報に乞うご期待です。