浅田政志が切り取る神奈川の今
日本写真の発祥地としての名を持つ神奈川県で、ユニークな試みが始まりました。写真家・浅田政志氏が、地元住民を被写体にしながら、今の神奈川の生活を切り取る「カナガワ ポトガラヒーの旅」がスタートしました。これは、浅田氏が旧写真師のように各地を訪れ、町の人々との出会いを通して撮影を行うプロジェクトです。
浅田政志は「浅田家」という写真集での家族の姿を鮮やかに描写し、木村伊兵衛写真賞を受賞した実績を持つ写真家です。また、彼が記録した「アルバムのチカラ」は東日本大震災での被害を称えるドキュメンタリーとしても知られています。その彼の新たな試みが、神奈川県内の観光名所で展開されることになりました。
開成町と真鶴町での展示
今回の展覧会では、まず開成町と真鶴町での撮影が行われました。開成町役場では、12月8日から25日まで、町の人々との交流を元にした展示が予定されています。お披露目会は12月5日に予定され、浅田氏が撮影を振り返る貴重な機会も生まれます。
真鶴町では、12月6日から21日までの間、たけやという場所で展示が行われます。こちらでもお披露目会が行われ、町を訪れた人々に対して浅田氏の心温まる視点を共有します。
写真を通じての交流
「ポトガラヒー」という言葉は、日本に写真技術が伝わった時の呼び方であり、浅田氏はその言葉に込めた情熱と古い写真への興味を表現しています。彼は撮影を通じて触れ合った人々の温かさや、その町の歴史を感じさせる作品を作り上げています。展示される作品は、モノクロの歴史的な写真に色を加えた作品で、まるで時を超えたかのようなレトロな雰囲気を醸し出します。
映画とのコラボレーション
また、展示に合わせて、浅田政志をモデルにした映画『浅田家!』の特別上映会も企画されています。 11月28日から12月11日まで、小田原シネマ館にて行われ、完成後には浅田氏の舞台挨拶も予定されています。この映画は、映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞するなど、各国で話題を呼びました。
様々なメディアでの活動
浅田は広告や雑誌の分野でも活躍しており、「浅田撮影局」の名前で家族写真を撮影したり、クリエイターとしての活動も行なっています。2025年には故郷に自身のスタジオ「ポトガラヒースタジオ」を開く予定で、さらなる展開が期待されています。
まとめ
「カナガワ ポトガラヒーの旅」は、浅田政志の感性を通じて、神奈川の現況をアートとして楽しめる特別な時間になることでしょう。彼の作品を通して、地域の文化を感じ取り、新しい視点で神奈川の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか?