京都国立近代美術館で「荒木悠Reorienting」が開催
京都国立近代美術館では、2025年10月7日から12月7日までの期間に「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」という展覧会が開催されます。アーティストであり映画監督である荒木悠がテーマに沿った作品群を発表するこの展覧会では、彼の新旧作品が展示され、観覧者に文化間の邂逅を体験させます。
展覧会のテーマ
荒木悠は3歳のころに初めてアメリカに渡り、言語の壁を乗り越えるために絵を通じてコミュニケーションを図りました。大人となった彼は美術作家として活動し続け、異文化同士の関係やそれに伴う摩擦をユーモラスかつ批評的な視点で表現しています。この展覧会では、荒木がこれまでの人生で経験した移動や越境をテーマに、過去と現在のつながりを探ります。
展示内容と見どころ
本展では、荒木悠の新作を含む映像作品4点を初公開します。特に、彼が2025年夏にポルトガルと日本で制作した新作映像は、この展覧会の目玉のひとつです。また、会場では国吉康雄、石垣栄太郎、野田英夫ら、日系移民作家の作品も紹介され、当館の収蔵品から計14点の写真や絵画が一堂に展示されます。これにより、異なる時代や文化を持つ作家の仕事を比較し、表現への理解を深めることができるでしょう。
展示空間の工夫
「Reorienting」というテーマを反映させるために、展示空間は国吉、石垣、野田、荒木の視点を基に構成され、モダニズム写真や他のアート作品と組み合わせられています。これにより、観覧者は新たな視点を得ることができ、異なる視野からのアートを楽しむことができます。
アーティスト・荒木悠について
1985年生まれの荒木悠は、アメリカのワシントン大学で美術を学び、東京藝術大学大学院で映像研究を修了しました。彼は文化の伝播や異文化交流の中で生じる誤訳や誤解の可能性に関心を持ち、歴史的な出来事と空想の間に存在する差異を探求しています。
開催概要
- - 展覧会名: キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―
- - 会期: 2025年10月7日(火)から12月7日(日)
- - 会場: 京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
- - 開館時間: 午前10時から午後6時、金曜日は午後8時まで開館(11月28日、12月5日を除く)
- - 休館日: 月曜日(特定日は開館)
- - 観覧料: 一般430円、大学生130円、高校生以下および65歳以上は無料(詳細はウェブサイトを参照)
- - 主催: 京都国立近代美術館
- - 公式ウェブサイト: 京都国立近代美術館
この展覧会は、国と文化を超えて交わるアートの力を再認識する良い機会です。荒木悠の新作や、旧作がどのように新しい聞き手や受け手に語りかけるのか、皆さんもぜひ会場でご体感ください。