非正規雇用の給与・待遇に関する2025年の企業調査結果
マイナビが発表した「非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査(2025年)」は、アルバイトの賃上げに関する重要な情報を提供しています。この調査は2024年12月から2025年5月の間に行われ、幅広い業界の企業を対象としました。
賃上げ額の増加とその理由
直近半年間でアルバイトに対する平均賃上げ額は406円となり、前年の279円から127円も増加しました。賃上げの理由としては、45.4%の企業が「最低賃金の改定のため」と回答し、多くの企業が法改定による影響を受けていることが明らかになりました。
エリアごとに見ると、最も賃上げ実施率が高かったのは「東名阪以外の大企業」で77.7%に達しました。この傾向は規模別にも見られ、大企業ほど賃上げを実施する割合が高いという特徴があります。
賃上げ方法の多様化
アルバイトへの賃上げ方法では、「第二の賃上げ」、つまりベースアップや手当の導入が85.2%でトップを占めました。一方で、定期昇給に当たる「第一の賃上げ」は35.7%、福利厚生の拡充を指す「第三の賃上げ」は13.1%と、名称における差が見られます。
特に「第三の賃上げ」については、企業が人材確保に向けた視点からも注目していることが分かります。その実施内容としては、交通費補助が58.4%で最も多い結果となり、次いで食事補助や従業員割引が続きました。
今後の賃上げ計画
未来の賃上げ計画については、35.4%の企業が今後半年以内に賃上げを予定しています。前年の33.6%から1.8ポイントの増加となりました。賃上げの平均予定額は397円で、前年から大幅に増加していますが、企業は「時給1500円以上への引き上げには現実的でない」とも見解を示しています。実際、「1500円未満」と答える企業が全体の72%を占めるなど、意識が垣間見えます。
企業の課題と今後の展望
調査を通じて、賃上げは徐々に普及していますが、企業規模や地域差が影響していることも明らかになりました。特に長期的な雇用維持や人材定着に関しては、さらなる検討が必要です。賃金以外の福利厚生の充実が雇用の魅力を高めるポイントとなるでしょう。今後、企業がどのように対応していくのか、その動向に注目が集まります。
調査データをもとに、企業の賃上げへの取り組み内容や今後の方向性を探り、これからの雇用市場におけるトレンドを理解する手助けとなれば幸いです。