2026年春夏のファッションシーンを読み解く
2026年春夏のニューヨークとロンドンで開催されたファッションウィークは、若い世代の心を掴む新たなトレンド「レトロ」と「クラフト」が浮上しました。特に、Z世代を中心とする若者たちは、ファッションを単なる流行の追求としてではなく、自己表現の手段と捉え、多様な文化や歴史を反映したスタイルを選ぶ傾向にあります。これにより、ファッション界は新たな転換を迎えています。
ニューヨーク・ファッション・ウィークの潮流
10月6日に発表された「WWDJAPAN」の報告によると、ニューヨーク・ファッション・ウィークでは、特に「クラフト」がキーワードとして浮かび上がりました。
世界的なブランド「ディオール(DIOR)」が新しい方向性を示し、手仕事やレトロな要素を取り入れたディザインが注目されました。「コーチ(COACH)」や「カルバン・クライン コレクション(CALVIN KLEIN COLLECTION)」など、各ブランドはそれぞれの文化的背景を活かし、モダンなリアルクローズに昇華させています。これらの作品群は、移民都市であるニューヨークの多様性を反映するものとしても高く評価されています。
また、創業デザイナーが新たな方向に舵を切った「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」や「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」といったブランドも、次世代の可能性を秘めた新作を発表しました。特に、「アレキサンダーワン(ALEXANDERWANG)」の20周年ショーでは、過去の栄光と新しい挑戦が融合し、観客を魅了しました。
ロンドン・ファッション・ウィークの革新
一方、ロンドン・ファッション・ウィークは新たな体制のもと、新しい挑戦に踏み出しました。英国ファッション評議会の新CEO、ラニ・ウィヤー氏は、参加料の撤廃や国際的な発信の強化を図り、参加ブランド数の増加が見込まれています。「バーバリー(BURBERRY)」は1960年代の音楽シーンからインスパイアを受けたコレクションを発表し、ロックなエネルギーと伝統的なクラフトを見事に融合させた作品を魅せました。
若手ブランドでも「ハリス リード(HARRIS REED)」や「ディーラー・ファインディコグループ」の成長が見られ、未来の英国ファッションを牽引する可能性を秘めたデザイナーたちの姿が印象的です。
ビューティーの視点から
特集以外でも、連載「ビューティー賢者が持論展開」では、日本の美容業界が今後10年間で世界に存在感を示すための道筋について、アイスタイル「BeautyTech.jp」編集長の矢野貴久子氏が示唆を進めています。また、「ファッション&ビューティパトロール」では、ニューヨーク・コレクション中に訪れた注目のショップも紹介され、多様なファッションの潮流がひとつにまとまる様子が伺えます。
このように、2026年春夏のニューヨークとロンドンにおけるファッションウィークは、レトロとクラフトという共通テーマのもと、若者たちが自己表現を追求するための舞台として注目を集めています。これからのファッション界がどのように進化していくのか、ますます目が離せません。
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