STマイクロエレクトロニクス、あらゆるシーンで高度なカメラ性能を実現する「ST BrightSense」イメージ・センサを発表
STマイクロエレクトロニクスは、グローバル・シャッター機能を搭載したイメージ・センサ「ST BrightSense」とその開発エコシステムを発表しました。この製品は、従来のローリング・シャッター機能と異なり、全ピクセルを同時にサンプリングすることで、高速で動く被写体を歪みなく撮影することができます。また、照明システムとの組み合わせにより消費電力の削減にも貢献します。
ST BrightSenseは、フランスの自社工場で製造されるCMOSイメージ・センサです。先進的な裏面照射型ピクセル技術を採用しているため、画像の鮮明度が高く、バーコードの読取りなど精細な画像を取得できます。さらに、高い感度を備えているため、低照度でも優れた性能を発揮し、高速な画像取得を実現します。これにより、モバイル・ロボットの障害物回避やパーソナル電子機器の顔認証などの応答性向上に貢献します。
ST BrightSenseは、自動露出や補正、キャリブレーションなど先進的な画像処理機能を豊富に備えながらも、きわめて小さいダイ面積を実現しています。そのため、最終的な光学モジュールなど、スペースに制約がある場合でも簡単に組み込むことができます。また、MIPI-CSI-2インタフェースも搭載されているため、組み込みビジョンや組み込みAI機器にも最適です。
開発エコシステム
ST BrightSenseの開発エコシステムには、イメージ・センサ、レンズ・ホルダ、レンズ、プラグ・アンド・プレイ型のフレキシブル・コネクタが搭載された評価用のカメラ・モジュールが含まれており、イメージ・センサを簡単に組み込むことができます。このモジュールは、最小5mm2の小型フォーム・ファクタや、幅広いアプリケーション要件に対応できる豊富なレンズ・オプションを備えています。さらに、プラグ・アンド・プレイ型のコネクタにより、モジュールの交換も簡単です。
ST BrightSenseイメージ・センサは、さまざまなデスクトップや組込みコンピューティング・プラットフォームに統合できます。STM32MP2マイクロプロセッサを含む一般的なプロセッシング・プラットフォームとの統合をサポートするPCベースのGUIやLinuxドライバなどの補完的なソフトウェア・ツールは、STのウェブサイトから無償でダウンロード可能です。
製品ラインナップ
グローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサ「ST BrightSense」製品ファミリでは、現在、解像度0.38Mピクセル~1.5Mピクセルのモノクロ・センサ「VD55G0」、「VD55G1」、「VD56G3」、および1.5Mピクセルのカラー・センサ「VD66GY」が提供されています。これらのセンサ、評価用カメラ・モジュール、および開発ボードは現在量産中です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。
まとめ
ST BrightSenseは、高速で動く被写体の撮影や低照度環境での高性能な画像取得など、さまざまなアプリケーションにおいて優れた性能を発揮するイメージ・センサです。開発エコシステムも充実しており、幅広い市場で簡単に使用することができます。今後、産業機器や消費者向け機器など、さまざまな分野でST BrightSenseが活用されることが期待されます。