介護予防を支える新システム『ハレクルWith』の概要
オムロン株式会社は、2024年9月に介護予防のための新しいICTシステム『ハレクルWith』をリリースすると発表しました。このシステムは介護予防領域に特化し、自治体や地域包括支援センターの取り組みをサポートするアセスメント機能を備えています。オムロンは、介護予防・自立支援施策の充実を図ることで、高齢者が自立した生活を送ることに貢献することを目指しています。
現在の社会課題と介護予防の重要性
日本は高齢化社会が進行しており、65歳以上の人口は3,625万人に達し、総人口に占める割合も29.3%に上っています。この状況は急激に変化しており、介護職の人材不足が深刻化しています。特に、2026年には約25万人、2040年には57万人の人材が不足すると予測されています。また、75歳以上の要介護認定率は31.5%、85歳以上では57.8%と高い数値が示されています。
このような状況下で、介護が必要となる前の段階で適切な支援が行えるシステムが求められています。『ハレクルWith』は、そのニーズに応えるべく開発されました。
『ハレクルWith』の特徴と機能
『ハレクルWith』は、特に軽度の要支援認定者やフレイル状態の高齢者に対し、心身機能の低下を未然に防ぐための支援を行います。このシステムは実績に基づいたデータを利用し、誰もが簡単に介護予防ケアマネジメントを実践できるよう設計されています。
このシステムの主な機能には、アセスメント支援機能、ケアプラン作成支援機能が含まれます。
アセスメント支援機能
この機能は、高齢者の日常生活における課題の兆しを具体的に把握し、心身の状態を分析します。例えば、自身での入浴が難しくなってきた場合、その動作を「浴室への移動」「体を洗う」「浴槽をまたぐ」と細分化し、どの部分に課題があるかを特定します。これにより、高齢者がどのような支援を必要としているのかが明確になります。
ケアプラン作成支援機能
アセスメント結果を基に、ケアプランに自動的に情報が反映される機能も搭載されています。これにより、質の高い課題設定や目標設定が可能になり、高齢者一人ひとりに合った自立支援サービスが提案されます。現場でのアセスメントはタブレットを通じて、オフィスでのケアプラン作成はPCを使用することで、データの連動運用ができるようになります。
地域社会での期待
オムロンはこれまで大分県や大阪府、小松市と連携し、各地域で介護予防ケアマネジメントのICT化を進めてきました。『ハレクルWith』を最大限に活用し、地域包括支援センターでの介護予防の実行力を高め、元気な高齢者を増やすことで、社会保障費の適正化や人材不足の解消に貢献することを目指しています。
まとめ
『ハレクルWith』は、オムロンが長期ビジョンとして掲げている「健康寿命の延伸」に向けた重要な一歩といえるでしょう。ICTを活用した自治体や地域包括支援センターの充実したサポートを通じて、高齢者がより自立し、豊かな生活を送る社会の実現が期待されます。
詳しい情報については、
オムロンの公式サイトをご確認ください。