エゾシカ肉を利用したアイヌ民族の伝統料理、ユクオハウが登場
北海道札幌市に位置するイビススタイルズ札幌では、2025年1月22日から新たにエゾシカ肉を使用したアイヌ民族の伝統食であるユクオハウを朝食ブッフェメニューに追加します。本料理は、北海道の食文化を体験できるだけでなく、エゾシカ肉の消費拡大にも寄与します。
エゾシカの現状と料理の背景
近年、北海道内に生息するエゾシカの数は過去10年で最多となり、2023年度には73万頭を記録しました。この増加は農業や林業への被害、さらには交通事故の原因にもなっています。そのため、捕獲されたエゾシカの利用を促進し、需給バランスを保つことが課題とされています。
イビススタイルズ札幌は、エゾシカ肉を利用することでこれらの課題に取り組みながら、観光客や地元の人々に北海道の食文化を感じてもらおうとしています。昨年、エゾシカ肉を使ったジビエカレーが好評だったことを受けて、さらにメニューを多様化させる取り組みを進めています。
ユクオハウの魅力を引き出す食材
ユクオハウに使用されるエゾシカ肉は、根室産のものを選定しています。この肉は一時飼育されているため、安定した供給が可能です。また、伝統的な用法に基づき、すね肉とバラ肉を用いて調理されます。
料理はまずフライパンで軽く焼かれ、余分な脂を落とした後に圧力鍋でじっくり煮込まれます。食材には、玉ねぎや人参、大根、ごぼう、れんこんといった根菜を使用し、昆布とかつおから取った出汁に加え、隠し味としてしょうがを使ったすっきりとした味わいの味噌スープに仕上げます。
食を通じて文化を伝える試み
支配人の森田雅春氏は、若い世代にもエゾシカ肉の味を知ってもらいたいと述べています。アイヌの伝統食に触れることで、北海道の文化に興味を持つきっかけとなれば嬉しいと話します。「食べたいけれど食べる機会がなかった方も、この機会にぜひユクオハウを味わっていただきたいです」とコメントしています。
提供詳細
ユクオハウは2025年1月22日から2月28日までの期間、イビススタイルズ札幌の朝食ブッフェにて提供されます。宿泊者には特別価格が設定されており、事前予約をすることでさらにお得に楽しむことができます。具体的には、宿泊者の予約料金は大人が2,000円、小学生が1,000円となっており、小学生未満は無料です。宿泊者以外は大人2,500円、小学生1,250円となっています。
ユクオハウの提供が、エゾシカ肉の新たな利用促進となり、北海道の食文化を広めるきっかけとなることが期待されています。興味のある方は、アクセスしてぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか?
イビススタイルズ札幌の詳細な情報は、
こちらのウェブサイトで確認できます。