2026年の夏、京都・祇園白川に新たなことが起ころうとしています。ハイアット ホテルズ コーポレーションが手掛ける初のラグジュアリー温泉旅館ブランド「吾汝 Atona」の開業が決定し、その一環として飲食店「割烹 吾汝」も同時にオープンします。これにより、古都京都の地に新しい食と宿泊の体験が誕生します。
「吾汝 Atona」は、日本の自然や文化を讃えることをテーマにしたブランドで、その理念は飲食にも反映されています。割烹 吾汝では、日本各地から厳選された新鮮な食材を用い、四季を感じる料理を提供する予定です。京都は日本の食文化の中心地であるため、さまざまな地域の魅力を味わえる絶好の場所です。
また、割烹 吾汝の1階にはバーも併設予定で、ここでは和酒を中心に、リラックスした時間を楽しむことができるカクテルも提供されます。味覚だけでなく、心地よい空間作りにこだわり、料理を楽しむための環境が整えられるでしょう。
このプロジェクトの空間デザインは、「乃村工藝社」の小坂竜氏と田中悠史氏が担当し、アートディレクションは「吾汝 Atona」のブランド作りにも関わる原研哉氏が手掛けています。これにより、温泉旅館が開業する前からその魅力を体験できる場所が生まれるわけです。
さらに、温泉旅館「吾汝 Atona」は、今後、新たな展開地として大分県・久住と北海道・余市を含むことが発表されました。これらの地域は自然豊かな環境で知られ、温泉文化との結びつきも深い場所です。久住は九州の最高峰を有し、雄大な草原に囲まれ、大分の恵みを感じられる場所です。一方、余市は海と大地が生み出す独自の植物が広がり、美しい風景を形成しています。このように、それぞれの地域の文化や自然を尊重しながら、独自の魅力を持った旅館を展開していく方針です。
温泉旅館「吾汝 Atona」は、2028年以降に開業予定で、由布・屋久島・箱根・久住・余市の順に展開が計画されています。各施設は30〜50室程度の規模を予定しており、地域ごとに温泉や旬の食材を生かした料理、文化体験のアクティビティも用意される予定です。
ハイアットとKirakuの共同代表である坂村政彦氏は、「この店舗を通じて、独自の世界観を早期にお客様に提供できることを嬉しく思う」とし、旅館開業に向けての体験価値を磨き上げる機会として捉えています。彼は、地域と共に未来を築き、日本の魅力を世界に発信することの重要性を強調しています。
「吾汝 Atona」は、日本の古語で「私とあなた」という意味を持ち、訪れる人々に新たな発見をもたらし、心温まる時間を共有する期待感を込めています。これにより、伝統的な旅館文化への敬意を持ちながらも、現代的な要素を取り入れた上質なサービスが提供されることが期待されます。食を通じて人々や地域とのつながりが生まれ、未来へと受け継がれていく場所となることを目指しています。
このように、ハイアットの新たな試みとして誕生する「吾汝 Atona」と「割烹 吾汝」は、京都の食文化をより深く体感するための新たな拠点となることでしょう。今後の開業に向けた動向に注目です。