観光地の交通安全を目指す官民連携プロジェクト始動
観光地での交通事故増加が問題となる中、株式会社JTBは、京都府警察本部やトヨタ自動車、東京海上日動火災保険との連携を発表し、2025年から京都の「嵐山地区」をモデルにした「はんなり 和の道プロジェクト」が始動します。この取り組みは、観光客と地域住民の生活が交錯する区域における交通問題に対し、データを基にした解決策を模索するものです。
背景と取り組み内容
京都といえば古都として多くの観光客を引き寄せていますが、増加する観光客は交通渋滞や事故のリスクを高めていることが懸念されていました。特に「嵐山地区」は観光名所としての人気が高く、その影響で交通量が激増し、観光客と地域住民が行き交う生活道路が安全性の課題に直面しています。
そこで、官民が保有する多様なデータを駆使し、事故のリスクを軽減するために協力して取り組みを進めることとなりました。このプロジェクトの期間は2025年8月29日から2026年3月31日までの約7ヵ月間です。
役割分担と具体的な活動
JTBの主要な役割は、嵐山地区における人流の動向分析です。具体的には、
1. 観光客や地域住民の移動データを分析し、時間帯による交通量の変化を検証。
2. 密集したエリアの特定と、来訪者属性の把握を行います。この分析を通じて、交通事故や渋滞の原因を深く理解することを目指します。
さらに、効果的な情報発信による交通安全啓発も重要な役割です。交通安全に関する情報や、渋滞を避けるための方法についての情報を発信し、それによる行動変化を確認します。
この取り組みは、京都府警察本部の警察データ、トヨタ自動車の車両データ、東京海上日動の保険データ、そしてJTBの観光データを統合的に分析した上で実施されます。これにより、
- - 嵐山地区における交通実態の把握、
- - 事故リスクの高い地点を可視化し、その要因を解析することが可能となります。
プロジェクトの未来展望
JTBは、人との繋がりを重視し、観光客と地域が共に繁栄できる社会を目指しています。本プロジェクトを通じて、観光客の行動パターンを分析し、湖南市における観光の安全性を向上させるだけでなく、地域への貢献も果たします。
プロジェクト名の由来
「はんなり 和の道」という名称は、古来より日本の道路が「みち」と呼ばれ、人々が思いやりを持って往来していたことに由来しています。このプロジェクトでは、交通事故が起きにくい生活道路を再構築し、すべての人が安心して通行できる環境を創出することを目指しています。
「はんなり」という言葉は、京言葉で、落ち着きと華やかさを兼ね備えられたものを指します。観光地の美しさを保ちながら、安心・安全な交通環境の実現を目指します。