AI技術を駆使した顧客対応の革新
昨今、企業による顧客サービス(CS)向上のためには、新しい技術の導入が鍵となっています。そこで注目されているのが、生成AIを活用した電話音声評価のPoC(Proof of Concept)です。この取り組みで、株式会社TENHO(東京都渋谷区)と株式会社らかんスタジオ(東京都三鷹市)が手を組んでいます。
背景
らかんスタジオは、1921年に創業し、100年を迎えた老舗の写真館です。家族の絆をテーマに、年間約4万件の撮影を行っており、多くの顧客に愛されてきました。しかし、顧客対応業務における人手不足から、スタッフの電話応対の評価が十分に行われず、結果としてサービス品質の向上が難しい状況に直面していました。この問題を解決すべく、TENHOとらかんスタジオは、生成AIを使った電話音声評価AIの開発に乗り出しました。
試行の要点
このAIは、顧客との電話応対を効率的に評価することを目的としています。開発期間は2024年の5月から6月までの2か月間で、実証期間は7月の1か月間。評価対象となるのは計6件で、さらには学習に用いる20件のデータも含まれています。具体的な評価方法としては、音声データの取得と文字起こしを伴ったテキストデータの評価が行われ、最終的には音声とその他の情報に基づく評価が実施されます。
結果と課題
今回のPoCでは、AIによる評価の有効性が確認され、人力での評価と比較しても十分に機能することが証明されました。これにより、人手不足の問題が解消されるだけではなく、スタッフに対して具体的なフィードバックを提供できるようになります。一方で、評価基準のさらなる精度向上を目指す必要性も浮き彫りになりました。特に、評価項目の基準を数値化し、一貫性を持たせる点や、重要な評価項目に相応しいウェイトを付与することが課題とされています。
今後の展望
今後は、収集した評価データをリアルタイムで表示できるWebシステムを構築し、スタッフへのフィードバックのプロセスを一層進化させる計画です。また、電話対応が求められる他の業界への展開も視野に入れており、フィードバックの具体化を図ることで、業務全般の改善と従業員の満足度向上に寄与することが期待されています。
企業の紹介
らかんスタジオ
- - 代表者: 鈴木 観
- - 設立: 1965年2月
- - 所在地: 東京都三鷹市下連雀8-7-3
総合フォトスタジオとしての歴史を持ち、その使命は「期待を超える感動をお届けする」ことを掲げています。
TENHO
- - 代表者: 田村 允
- - 所在地: 〒150-0011 東京都渋谷区東2-14-21
「TENHOが世界を一歩前進させる」をビジョンに、各業界にカスタマイズされたAIソリューションを提供しています。
AI技術を活用したこの新たな取り組みが、今後の顧客サービスにどのように影響を与えるのか、非常に楽しみです。