JAXAベンチャー天地人、宇宙データの新たな提供を開始
株式会社天地人(東京都中央区)は、このたびJAXAによる「だいち4号」PALSAR-3観測データを活用したデータサービス事業者に選定されました。これにより、国内において初となる合成開口レーダ画像のオンライン販売が行われることが発表されました。2027年までの期間、一般ユーザ向けに提供されるこのサービスは、気になる地域のデータを簡単に、また低価格で購入できる環境を実現します。
「だいち4号(ALOS-4)」は、2024年7月に打ち上げられたJAXAの最新の人工衛星であり、Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)を搭載しています。これにより、世界トップレベルの解像度と広範囲の観測が可能です。特に、日本は自然災害が多いため、夜間や悪天候でも観測可能なこの技術は、豪雨や地震の被害の迅速把握に大きく貢献するでしょう。
衛星データの身近な活用
天地人は、衛星データの利用を「特別なもの」から「身近なもの」へと進化させる取り組みを行っています。農業、防災、都市計画、エネルギーなど様々な分野で、衛星データは社会課題の解決に寄与する力を秘めていますが、日本では技術的なハードルやコスト、認知度の低さが普及の妨げとなっています。
この現状を打破するため、天地人は意欲的に新しいプラットフォームを整備し、誰でも直感的に使えるデータ解析が可能なシステムの構築を進めています。また、中小企業や自治体も利用しやすいサービスモデルを導入することで、データの普及を促進する狙いです。
地域の課題解決に向けた取組
「だいち4号」が提供するデータは、防災や森林管理、農業の分野で特に期待されています。具体的には、豪雨による被害や、地震の発生時における迅速な情報取得が可能となり、災害対策の一環として重要な役割を果たすでしょう。また、森林の炭素蓄積量の見積もりや、農業における作付け面積の把握など、持続可能な社会の実現に向けた多様な活用方法が期待されています。
天地人は、これらの特性を生かしつつ、利用者の声を反映させた継続的なサービス改善に努めていきます。さらに、ユーザーが触れやすい情報発信や成功事例の共有を進め、新たなデータ利用の可能性を広めるための活動も展開しています。特に、自治体や教育機関との連携を通じて、社会課題の解決に向けたエコシステムを築くことを目指しています。
「天地人コンパス」での新しい展望
2022年から提供されている土地評価エンジン「天地人コンパス」は、さまざまなデータを統合分析できるプラットフォームです。利用者は、衛星データだけでなく、気象情報や地形情報など多様なデータをもとに土地評価を行うことができます。このサービスは、環境保護や効率的な土地利用を推進する上で重要な役割を果たしています。
ユーザーが独自に保有するデータを活用して複合的に分析できる仕組みも整えられており、より具体的な課題解決に繋がる可能性があります。
未来への展望
「データの力で未来を変える」という信念を持つ天地人は、これからも衛星データの活用を広げるべく尽力していきます。全国のユーザーにその可能性を届け、持続可能な未来の実現に貢献するため、日々挑戦を続けています。今後の展開にぜひご注目ください。
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