慶應義塾大学とCTCが信頼性向上に向けた共同研究を開始
慶應義塾大学とCTCの共同研究プロジェクト「Trust Knots」
デジタル社会が進展する中、インターネット上の安全性がますます重要視されています。そんな中、慶應義塾大学と伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は共同で「Trust Knots」というプロジェクトをスタートしました。このプロジェクトでは、デジタル取引における個人や法人の信頼性向上を目指します。
プロジェクトの目的と背景
この共同研究は、2024年6月から2025年3月までの約9ヶ月間にわたります。近年、生成AIの進化に伴い、インターネット上ではなりすましやデータの偽造被害が増加しているため、企業はアカウントの確認やデータの真正性を検証する必要性に迫られています。しかし、サービス事業者ごとの対策が多く、ユーザーにとっては利便性が低下するという課題も存在します。これを解決するために「Trust Knots」は、ユーザーが安心してデジタル取引を行える環境を築こうとしています。
研究の具体的な内容
「Trust Knots」では、以下の三つの主要な研究テーマが設けられています。
1. 汎用的な検証システムの開発: デジタル取引における身元詐称やデータ改ざんの検証が可能なプロトタイプを開発します。これにより、ユーザーはその取引の信頼性を簡単に確認できるようになるのです。
2. 実証実験: 大学の学修歴、リユース事業、行政など、様々なテーマに関して実証実験を行います。この実験を通じて、システムの具体的な運用方法とユーザーの利用実態を把握し、さらに改善点を見つけ出します。
3. 政策提言と情報提供: 研究成果を基に、政府機関や経済団体への政策提言を行い、サービス事業者に対して実用的な情報を提供します。この取り組みにより、業界全体の信頼性向上を狙います。
デジタルアイデンティティの構築
本研究は、情報を管理し、ユーザーが必要な情報のみを選択的に他者に提供できるような基盤ソフトウェアの開発も含まれます。これは、デジタル資格証明を発行・検証するための環境を整えることにもつながります。
特に、慶應義塾大学の学生向けに在学証明書や卒業見込証明書をスマートフォンアプリで発行する取り組みも進めており、次世代のデジタルアイデンティティ基盤の実証実験が行われています。
さらに進化する「信頼」の概念
2020年から始まったこの取り組みは、内閣官房が設置した「Trusted Web推進協議会」にも参加し、インターネットにおける信頼性の追求に寄与しています。このような様々な実績をベースに、今後の研究が進んでいくことでしょう。
終わりに
デジタル社会の進展とともに、ユーザーが安心してオンライン取引を利用できる環境作りが急務となっています。慶應義塾大学とCTCの「Trust Knots」プロジェクトは、その先駆けとして期待されています。これからの成果に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門4-1-1神谷町トラストタワー
- 電話番号
-
03-6403-6000