AI技術を活用したカスハラ対策機能をBuddycomが導入へ

Buddycomにカスハラ対策機能導入

近年、カスタマーハラスメント（カスハラ）が深刻な社会問題となっています。この不当な言動や要求は、特に接客業やサービス業で顕著に見られ、従業員の精神的・肉体的負担を増大させているのが現状です。離職率の増加や労働生産性の低下を引き起こす要因となるカスハラ対策の必要性はますます高まっています。

これに応じて、株式会社サイエンスアーツは、彼らが提供するライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」に新たな機能を追加することを決定しました。その名も「セーフティーサポート」です。この機能は、AIによる音声分析を活用し、接客業務におけるカスハラを迅速に検知し、対応することを目指しています。

「セーフティーサポート」の背景

サイエンスアーツは、サミット株式会社と協力し、「セーフティーサポート」の実証実験を行います。サミットは、DIT化を推進し、小売業界では注目を集めている企業であり、店舗内でのAIカメラ実用化などの先進的な取り組みを行っています。サミットで運用されるこの機能は、その後、小売や航空、鉄道、警備、医療、介護など、様々な業種への展開が見込まれています。

「セーフティーサポート」の機能説明

「セーフティーサポート」に搭載される機能は主に以下の二つです。
1. 即座の緊急通知
従業員がカスハラの状況に直面した際、1クリックで緊急通知を送ることができ、録音した会話、リアルタイムの音声テキスト、そして位置情報が自動で共有されます。
2. AIによる自動カスハラ検知
常に接客音声をAIが分析し、カスハラに該当する行動が検知されると、自動的に緊急通知が発信されます。これを受けた近くの従業員は、現場に迅速に駆け付け、問題の重大化を防ぎます。

実証実験と今後の展開

サミットでの実証実験が成功すれば、その成果をもとに多くの業界への導入が進む予定です。これにより、接客業務の質の向上も期待されており、音声データのAI分析によりさらなる改善点の発見が可能となります。

Buddycomの概要

Buddycomはインターネット通信網を利用し、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバー的な機能を提供します。音声やテキスト、位置情報といった多様な情報を伝え合うことができ、今後はAIを取り入れたデジタルアシスタント機能も強化される予定です。既に航空や鉄道、建設、福祉施設など多岐にわたる業種で活用され、コミュニケーション手段として広がりを見せています。

このような新たな取り組みを通じて、Buddycomはより安全で快適なコミュニケーション環境の構築を目指し、業務効率化と従業員のメンタルヘルス向上を図ります。