NECが環境省の支援を受けてMRV支援システムの構築を開始

NECが選定されたMRV支援システムの概要

NECは、2024年度の環境省の「令和6年度J-クレジット制度におけるMRV支援システムの実装支援等委託業務」において、システム構築の事業者に選ばれました。この選定を機に、単にクレジットを発行するだけでなく、そのプロセス全般を効率化し、再生可能エネルギーの普及を促進することを目指しています。

MRV支援システムの目的

新たに構築されるMRV支援システムでは、測定（Measurement）、報告（Reporting）、検証（Verification）の各業務をサポートし、特に太陽光発電に関するクレジット発行の効率化を図ります。NECは、IoT技術やブロックチェーン技術を駆使して、デジタル化を進め、クレジットの創出を拡大していく方針です。

具体的には、IoT機器を使用してCO2排出削減量のデータを自動的に収集し、ブロックチェーンを使ってデータの検証を行います。このシステムは、環境省が運営するJ-クレジット登録簿システムとも連携し、申請手続きにかかる時間とコストを大幅に削減します。

現行の問題点とNECのアプローチ

現在のJ-クレジット制度では、申請手続きに多くの手間と時間がかかるため、特に中小企業や個人が参加しにくい状態です。NECは「NEC 2030VISION」に基づき、脱炭素社会の実現を目指し、デジタル技術による申請手続きの効率化を進めています。既に環境省の実証事業に参加し、実運用に向けた準備を進めている状況です。

MRV支援システムの特徴

- データ収集の自動化: スマートメーターなどのIoT機器を使用し、CO2削減量を自動で収集。
- ブロックチェーンによる信頼性: 収集したデータをブロックチェーンで管理し、不正改ざんの防止を実現。
- 審査機関との連携: 環境省が提供する登録簿システムとの連携を通じて、クレジット発行を簡素化。

このように、MRV支援システムはJ-クレジット制度の効率化において重要な役割を果たすことになるでしょう。

今後の展望

NECは2025年4月からMRV支援システムのサービスを開始し、太陽光発電に特化したクレジット発行業務を強化していきます。幅広い顧客と協力し、参加を希望する企業や団体の支援も行う計画です。また、省エネや森林管理に基づくJ-クレジットの拡大にも積極的に取り組んでいく方針です。

環境問題に対する企業の責任が問われる中、NECのMRV支援システムが、持続可能な社会への一助となることを期待しています。