ジオ・ポンティ回顧展「眼：軽やかに越境せよ。」が21_21 DESIGN SIGHTに登場

ジオ・ポンティの眼：軽やかに越境せよ。

概要

2025年3月19日（水）から3月31日（月）の期間、東京都港区にある21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で、イタリアンモダニズムの巨匠ジオ・ポンティの回顧展「ジオ・ポンティの眼：軽やかに越境せよ。」が開催されます。本展は、建築家としても知られるポンティの豊かな創造性と、そのデザイン哲学を深く探求する絶好の機会です。

ジオ・ポンティについて

ポンティ（1891-1979）は、20世紀イタリアの代表的なモダニストであり、その作品はスプーンのような小さなアイテムから、ミラノのアイコンであるピレリ高層ビルまで多岐にわたります。彼のデザインには、部分から全体を網羅的に捉える「眼」があり、薄さや軽やかさを追求したものが多く存在します。

特に1960年に竣工したピレリ高層ビルや、1957年に発表された椅子「スーパーレジェーラ」は、その代表的な作品として高く評価されています。最近では、埋もれていた名作や家具が復刻されるなど、ポンティの多面的な魅力が再評価されています。

展示内容

本展では、ポンティが自身の自宅のためにデザインした家具や、モルテーニによって復刻されたアームチェアやコーヒーテーブル、ブックシェルフなどが展示されます。特に目を引くのは、床に大胆にあしらわれたセラミックタイルの再現で、これによりポンティならではの空間の世界観が生き生きと表現されます。

さらに、ポンティのキャリアの約60年間を振り返る大パネル展示もあり、1920年代に作られた磁器作品やオリジナルのドローイングも合わせて紹介されます。特に、フランチェスカ・モルテーニによるドキュメンタリー映像『Amare Gio Ponti』は、新しい視点から彼の影響力を考察する材料となるでしょう。

ポンティの視点

「ジオ・ポンティの眼」によって描かれる世界は、現代の私たちが求めるものと共鳴しています。彼は、アートと工芸、ミニマリズムと装飾という相反する概念を超えて、未来の住まいへと開けていく風景を描き出しました。87年の生涯において、ポンティは二つの世界大戦を生き延び、さまざまな時代のイズムを取り入れながらも、その独自の「眼」で新たな視点を模索し続けました。

ポンティのデザインは、ノスタルジーからではなく、今もなお新鮮な魅力を持ち続けている理由はここにあります。彼が示した軽やかに越境する表現は、現代社会が抱えるさまざまな課題に対するヒントを与えてくれます。

■ 開催概要
開催期間：2025年3月19日（水）〜3月31日（月）
会場：21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
開館時間：10:00〜19:00
入場料：無料
公式サイト：特設サイトはこちら

是非、この機会にジオ・ポンティの視線を通じて未来を考える旅に出ましょう。