高齢者のフレイル予防を実現するプログラム
高齢化社会が進む中、フレイルの予防はますます重要な課題となっています。特に、高齢者の介護現場では、様々な理由から「フレイル予防は大切だが、続けるのが難しい」という声が多くあがっています。そこで登場したのが、株式会社AINISと一般社団法人フレイル予防サポート笑福(efu)が提供する「スタッフ主導型・ナレーション付きスライド進行プログラム」です。
プログラムの背景
フレイル予防において直面する問題の一つは、資源や人員が不足しているため、提供されるレクリエーションが担当者に依存しがちであることです。この状況を打破するために、AINISと笑福は「続けられる仕組み」を構築し、介護現場で気軽にフレイル予防に取り組むことができるプログラムを企画しました。
体験会の内容
体験会では、スタッフが主導する形で行われるナレーション付きのスライドプログラムを実際に体験していただきます。このプログラムでは、昭和の音楽や映像、写真を活用し、参加者同士の会話や思い出を引き出すことで、自然な交流を生むことを目指しています。スタッフは再生・停止を行うだけで済むため、特別な知識やスキルがなくても簡単に実施できるのが特徴です。
昭和歌謡と音楽回想法の効果
特に昭和歌謡は、多くの高齢者にとって懐かしい思い出と結びついており、曲を聴くことで当時の記憶や感情が蘇ります。このプログラムは、利用者が自由に思い出を語ることを促進し、無理なく会話の場を作り出します。また、スタッフが知らない曲だからこそ、利用者が「教える側」となり、自然なコミュニケーションが生まれます。音楽回想法は、心の活性化や交流促進にも寄与し、高齢者の日常に寄り添ったアプローチとなるでしょう。
プログラムの流れ
実際の実施の流れは、以下の通りです:
1. スタッフがプログラムを選定する。
2. ナレーション付きのスライドショーを再生する。
3. 問いかけスライドで一時停止し、参加者同士の会話を促す。
4. 会話が続いた後に再生を再開する。
5. 歌う・見る・答えることを繰り返しながら進行する。
この流れによって、誰でも安心して進行できるよう設計されています。
スタッフ養成の重要性
現在の介護現場では、「誰が進行するか」が大きな課題とされています。本プログラムでは、資格やスキルを競うのではなく、無理なく関われるスタッフを増やすことを重視しています。スタッフ養成では「寄り添う」「競わせない」「脅さない」姿勢を大切にし、小さな変化を褒めることで持続可能な支援を目指します。
今後の展望
AINISとエフは、このプログラムを地域に広げ、フレイル予防を「特別な行事から日常の文化へ」と変える取り組みを進めています。この新たな試みを通じて、健康寿命の延伸や重度化予防、地域包括ケアの推進など、さまざまな社会的メリットをもたらすことができるでしょう。高齢者が活き活きとした生活を送り、多様な関わり方を通じて地域社会への参加が促進されることが期待されます。フレイル予防を「日常の文化」として根づかせるために、AINISと笑福は引き続き取り組んでいきます。