EY Japan、東南アジアにおける自然保護と経済成長の両立を支援

EY Japanが目指す自然保護と経済成長の両立

EY Japanの気候変動・サステナビリティ・サービスチーム（CCaSS）は、東南アジア地域での新しい取り組みを始めることを発表しました。この取り組みは、自然や生態系の機能を活かし、気候変動やその他の社会的な課題解決を目指す「自然に基づく解決策（NbS: Nature-based Solutions）」を中心としたアプローチです。これは、自然を保護し再生するだけでなく、企業の財務リターンも確保することを目的としています。

NbSプロジェクトの内容とは？

NbSアプローチには、森林の再生、マングローブの保全、持続可能な農業といった多様なプロジェクトが含まれます。これらのプロジェクトは、二酸化炭素（CO2）排出を削減し、カーボンクレジットを創出・販売することによって、経済的な価値を生み出します。この厳しい友情において国際自然保護連合（IUCN）は、2030年までに必要なCO2削減量の最大37%がNbSプロジェクトで達成可能であると予測しています。

東南アジアにおける巨大な可能性

特に東南アジアでは、熱帯林の58%が保護可能であり、年間835MtCO2eのCO2排出を回避できるとされています。また、サステナブル・ファイナンスの拡大に伴い、地域のサステナブル債券市場は急成長を遂げており、ここ数年で大幅な資金流入が期待されています。実際に、2017年から2023年にかけて、サステナブル債券市場は33.6億米ドルから726.9億米ドルと、年間成長率67.5%を達成しました。

包括的なアプローチ

EY Japan CCaSSは、森林、海洋、農業の分野を中心にしたNbSプロジェクトを支援するため、対象国や適切な事業候補地を選定し、プロジェクトの温室効果ガス削減量の算定や政策・法規制の調査を行います。また、自然災害リスクや技術面の不確実性に対するリスクアセスメントを実施し、ビジネスの収益性や実現可能性を評価します。

多様なステークホルダーとの協働が鍵

さらに、これらのプロジェクトには、政府機関や国際機関、地域の財団、カーボンクレジットの購入者など、多様なステークホルダーとの協力が不可欠となります。EY Japan CCaSSは、こうしたエコシステムを築き上げながら、日本企業の持続的な成長戦略をサポートしています。

専門家の見解

EY CCaSSのアジア太平洋地域リーダーである茂呂正樹は、「気候変動に対する対策が進む中、自然資本の力を利用したNbSへの関心が高まっています。NbSは自然資本の再生と回復につながるとも期待されるプロジェクトです」と述べています。さらに、NbSに関連したクレジットの市場活性化にも期待を寄せています。