富士通、SalesforceサポートデスクにAIエージェント導入で顧客満足度向上を目指す
株式会社セールスフォース・ジャパンと富士通株式会社が新たな提携を発表しました。富士通は、顧客サポートを効率化し、さらなる顧客満足度を追求するために、Salesforceが提供するAIエージェント「Agentforce」を「富士通Salesforceサポートデスク」に導入することになりました。この導入により、顧客からの問い合わせ対応におけるスピードと正確性が向上し、長期的な顧客関係構築が可能となることが期待されています。
背景と課題
近年、富士通Salesforceサポートデスクでは、問い合わせ件数の急増や新製品の発売に伴ってサポート範囲が広がる中、オペレーターのスキル向上が急務となっていました。また、これまでのように限られたリソースで効率良く高品質な顧客対応を実現することも大きな課題です。顧客からの問い合わせの緊急度や難易度が多様化する中で、AIを活用した解決策が求められていました。
富士通は、SalesforceのService Cloudを用いて、顧客からの問い合わせを管理し、その中に含まれる生成AI機能「Einstein for Service」を採用していました。しかし、さらなる品質向上が望まれており、Agentforceの導入に至りました。
Agentforceの特長
「Agentforce for Service」は、24時間365日稼働するAIエージェントで、過去のナレッジデータを活用して、お客様の問い合わせに対して自律的に迅速かつ正確に対応します。これにより、オペレーターはより緊急度や難易度の高い案件に集中できるようになり、顧客に対するサービスを向上させることができます。
中でも大きな特長は、そのリアルタイム性です。AIエージェントは過去の情報をすぐに活用し、問い合わせに対してタイミングよく回答を提供します。これまでオペレーターが担当していた多くの問い合わせをAIが対応可能となることで、オペレーターはより専門的な問い合わせに注力できるようになります。
効果と検証
Salesforceとの協業で、富士通は信頼性の高いテストを行い、「Agentforce for Service」の効果を確認しました。以前は「Einstein Bot」を用いて8回ものやり取りが必要だった問い合わせが、Agentforceではわずか1回で解決するという結果が得られました。これにより、サポート業務の効率が大きく改善されることが期待されており、月間の問い合わせの約15%をAIエージェントが処理する体制を構築する方向で進めています。
顧客ニーズへの応答
富士通のグローバルビジネスアプリケーション事業本部 本部長、桐生卓氏は、Salesforceとの長年のパートナーシップを強化しつつ、顧客ニーズに柔軟に対応する姿勢を強調しています。日本国内でのビジネス実績とAI技術で、顧客満足を一層向上させる意気込みを示しました。
さらに、Salesforceの執行役員、浦野敦資氏も、富士通によるAgentforceの採用を高く評価し、AIエージェントの活用がもたらす新たな可能性について述べました。彼は、今後の協業により両社が提供するサービスの生産性向上を期待しています。
まとめ
富士通のSalesforceサポートデスクにおけるAgentforceの導入は、顧客サービスの質を一段と高め、顧客との長期的な信頼関係の構築に寄与するでしょう。AIと人が協力し合う新たな時代が到来する中、富士通の取り組みから目が離せません。