豊田通商、ラディウス社を完全子会社化
2025年3月14日に発表された合併契約に基づき、豊田通商株式会社は自社の完全子会社である豊田通商アメリカを通じて、米国のリサイクル企業であるラディウス社の全株式を取得しました。この手続きは7月11日(米国では10日)に完了し、今後ラディウス社は米国Nasdaq市場から上場廃止となる見込みです。
ラディウス社の事業内容と強み
ラディウス社は、オレゴン州ポートランドを拠点とし、北米でトップクラスのリサイクル企業として広く認知されています。アメリカ、カナダ、プエルトリコに100以上の拠点を有し、自動車解体施設や金属リサイクル施設を運営しています。また、オレゴン州内には電炉を保有し、鉄や非鉄金属の回収、加工、リサイクル業務を行っています。このようなネットワークと高度な加工・選別技術を駆使し、高品質な再生資源を安定的に顧客に提供しています。
循環型社会を目指す豊田通商の取り組み
豊田通商は、50年以上にわたり、金属スクラップのリサイクルや廃車の再資源化に尽力し、循環型社会の構築に寄与してきました。今回のラディウス社の買収によって、豊田通商が持つ再生資源に基づくクローズドサプライチェーンとラディウス社の強みが結びつくことで、北米における再生資源供給がさらに強化されます。新しいモノづくりやイノベーティブな製造プロセスを通じて、持続可能な開発を進める企業としての地位を確立します。
脱炭素化への貢献
ラディウス社は、先進的なリサイクル技術を取り入れた製造プロセスにより、グローバルな製造業界における脱炭素化にも寄与する計画です。豊田通商は、リサイクルを通じてカーボンニュートラルの実現を目指しており、次世代により良い地球を引き継ぐ取り組みを加速していきます。
日本国内における豊田通商のサステナビリティへの意識の高まりや、リサイクル業界の重要性は今後ますます増加すると考えられています。北米市場への進出に伴い、同社の取り組みがどのように進化していくのか、そして業界全体にどのような影響をもたらすのか、今後も注目が集まります。
企業情報
- - 会社名: Radius Recycling, Inc.
- - 所在地: 米国オレゴン州ポートランド
- - 設立: 1906年
- - 資本金: 28,155千米ドル
- - 代表者: タマラ・L・ラングレン
- - 事業内容: 廃自動車や金属屑の再資源化および鉄鋼製品製造
豊田通商の経営戦略やラディウス社の今後の展開に注目です。