ロロ・ピアーナ、ペコラ・ネラ®ウールの未来を見据えて
イタリアの高級ファッションブランド、ロロ・ピアーナが、2025年春夏コレクションに向けて革新的なトレーサビリティサービスを導入すると発表しました。このサービスでは、愛されているペコラ・ネラ®ウールの起源を顧客が直接確認できる仕組みを提供します。具体的には、製品に付与されたQRコードを読み込むことで、牧場から糸、そして完成品に至るまでの製品の旅を追跡できるのです。
ペコラ・ネラ®ウールは、ニュージーランドの特定の牧場から調達されており、その希少性と自然な美しさが魅力です。このウールは、フィオナ・ガードナーの情熱的な努力によって誕生しました。彼女は1983年にダークカラーの羊を育て始め、その独特で美しい色合いを追求してきました。ガードナーは、他の羊飼いが見逃していたダークカラーのウールに価値を見出し、その結果、最高級のダークウールを生産することに成功しました。
ロロ・ピアーナとフィオナ・ガードナーの出会いは90年代後半にさかのぼります。彼女の育てた天然の黒いウールの魅力に触れたロロ・ピアーナは、その後のコラボレーションを通じて、ダークウールの品質を高め、一緒に新しい品種改良プログラムにも取り組むようになりました。この関係は、彼らが手を携えて創り上げた品質の証となっています。
このペコラ・ネラ®ウールが持つ魅力は、ただの素材の美しさだけでなく、その背後に隠された物語にあります。フィオナ・ガードナーの革新的な取り組みや、ロロ・ピアーナが有色のメリノ羊を育てるために試行錯誤した熱意は、彼らの製品に深みを与えています。
さらに、ロロ・ピアーナは2003年以降、ガードナー家からダークウールをすべて購入し続けており、これは彼らの長期的なパートナーシップの結果でもあります。ロロ・ピアーナはタッチとエレガンスを兼ね備え、最高品質のウェアを製造するために、各生産プロセスにおける職人の手仕事を重視しています。彼らの製品の色調はロットごとに異なり、自然の模様を生かすために厳密な管理が行われています。
そして、2024-2025年秋冬シーズンには、ロロ・ピアーナが歴史的なファブリックからインスパイアを受けた作品を発表予定です。この作品では、異なる自然な色合いのウールを組み合わせて、立体感のある生地を作り上げています。これにより、職人技と現代技術が融合し、ペコラ・ネラ®ウールの魅力を余すところなく引き出しているのです。
ロロ・ピアーナのファッションは、その美しさだけでなく、その生産過程における持続可能性やサステナビリティにも注力しています。新しいトレーサビリティシステムを通じて、カスタマーは自分の手にする製品がどのように作られたかを確認し、ブランドと消費者の距離を一層近づけることが可能となります。これにより、ロロ・ピアーナはただ製品を販売するだけでなく、顧客に物語を共有し、彼らのライフスタイルに影響を与える新たな価値を提供し続けられるでしょう。