ポテトサラダの地域性を探求する研究
日本人にとって身近なポテトサラダが、地域によって異なる風味を持つことが2025年の日本調理科学会で発表されました。この研究は、キユーピー株式会社とデリア食品株式会社の共同によって行われ、全国のポテトサラダの風味を地域ごとに分析し、その結果、各地域の食文化や嗜好性との相関が明らかになりました。
研究の背景
10月10日は「ポテトサラダの日」として定められており、その日にちなんで行われた本研究は、ポテトサラダが日本の食卓にどのように根付いているかを深く掘り下げるものです。内食、中食、外食と多様なシーンで愛されるポテトサラダは、地域の特産品や嗜好性に影響されている可能性が高いと考えられます。
研究の目的
研究では、北海道から九州までの6つの地域、計60品のポテトサラダを調査し、各地域の風味の傾向を比較しました。その目的は、地域の風味が食事の嗜好性とどう結びついているのかを探ることです。ポテトサラダは元々、家庭で作られていた料理であり、各地域の味付けがどのように違うのかを科学的に明らかにすることが期待されました。
結果の要約
分析の結果、地域ごとにポテトサラダの風味の違いが確認されました。たとえば、北海道では全体的に味の強度が強く、東北では酸味が低い反面、調味料を主体とした味付けが特徴とされました。首都圏は塩味や旨味が強く、関西では出汁のやさしい味付けが好まれることが見受けられました。九州では、酸味が強いという結果が出て、甘味が低いこととも関連していると考えられました。
地域文化との関連
今回の研究は、ポテトサラダの風味だけでなく、地域特有の食文化や歴史的な背景が味付けにどのように影響しているかを明示しました。食文化は気候や地形、歴史的な背景、さらには利用される特産物によって形作られ、それがポテトサラダの風味にも反映されているのです。たとえば、中部地方は酸味が強くなる傾向が見られた理由には、豊富に使われるマヨネーズが影響しているのではないかと言われています。
今後の展望
この研究の成果を踏まえ、キユーピーとデリア食品は、より多くのお客さまに魅力的なポテトサラダを提供するための商品開発やメニュー提案を進めていく予定です。また、今年5月に公開した「ポテサラ診断」を通じて、消費者に各地のポテトサラダの楽しさをさらに広げる活動も行っています。この診断では、簡単な質問に答えることで、その人に合ったポテトサラダのアレンジを提案しています。
ポテトサラダは、地域ごとの文化を反映する料理として、これからも多くの人々に親しまれていくことでしょう。おいしさや楽しさを伝える取り組みを続けることで、ポテトサラダの魅力をより深く理解してもらえると期待されています。
参考リンク
ポテトサラダの日を祝うと共に、その風味の地域性を理解し、各地のポテトサラダの楽しみ方を探求してみましょう。