ストラタシスと信越化学が挑む加速する3Dプリントの未来

ストラタシスと信越化学の戦略的提携

3Dプリンティング技術が進化を続ける中、ストラタシスは新たな仲間として信越化学との連携を発表しました。このコラボレーションにより、業界初となる高性能材料「P3™ Silicone 25A」が誕生しました。この新しい素材は、従来のシリコーンと同等かそれ以上の性能を持ちながら、3Dプリント技術に特化した設計が施されています。

P3™ Silicone 25Aの特長

P3 Silicone 25Aは、ストラタシスのOrigin® DLPプラットフォーム専用に開発され、柔軟な部品の製造を可能にします。これにより、製造業者は時間やコストを大幅に削減しながら、高精度な部品を手に入れることができます。特に、この素材は耐薬品性、耐熱性、機械的特性に優れ、150°Cで最大1,000時間の熱老化試験にも耐えることが確認されています。加えて、生体適合性や難燃性の認証も取得済みです。

製造業界では、シリコーンがシールやガスケット、防振材、ウェアラブルデバイス、ソフトタッチ部品など、多岐にわたる用途で重要な役割を果たしています。しかし、従来のシリコーンと比較して3Dプリントで同等の性能を持つ材料はこれまで少なく、この新素材の登場は革新的な進展を意味しています。

生産の革命

今回のP3 Silicone 25Aの導入は、製品のカスタマイズ、在庫管理、迅速な市場投入といった、業界の要求に応えるものとなります。ストラタシスの最高事業部責任者Rich Garrityは、「製造現場でアディティブ・マニュファクチャリングが普及するには、従来の製造方法と同じ性能を持つ材料が必要です。信越化学との協業によって、それが現実になりました」と話しています。このように、P3 Silicone 25Aは、信頼性と柔軟性を兼ね備えた新しい選択肢を提供します。

今後の展望

さらなる展開として、ストラタシスと信越化学は、異なる硬度レベルやさまざまな用途に特化した別バージョンの開発を狂おうとしています。信越化学の大原誠氏は、「アディティブ・マニュファクチャリングのリーダーであるストラタシスと共に本物のシリコーンを市場に提供できることを誇りに思っています」と述べています。

P3 Silicone 25Aは、現在EMEA（欧州・中東・アフリカ）とAPAC（アジア太平洋）地域で受注を受け付けており、アメリカでも年内に発売される予定です。詳細情報はストラタシスの公式ウェブサイトで確認できるため、ぜひ訪れてみてください。

企業紹介

ストラタシスは、アディティブ・マニュファクチャリングの分野で中心的な役割を担っており、航空宇宙、自動車、医療などさまざまな業界に向けた革新的な3D造形ソリューションを提供しています。日本においても、ストラタシス・ジャパンが製造した3Dプリンタや材料を取り扱っており、東京都中央区を拠点としています。これからも3Dプリンティング技術の進化に乞うご期待です。