人的資本経営を円滑に進めるための新たな調査結果
公益財団法人日本生産性本部が、2024年に発表予定の研究報告書の一環として「人的資本経営の浸透・従業員認知に関する調査」を行いました。この調査は、上場企業に勤務する正社員1,097名を対象に、人的資本経営が企業にどのように影響を与えるのかを掘り下げることを目的としています。本記事では、この調査の設計、結果、および提言を詳しく紹介します。
調査の背景と目的
近年、企業における無形資産への関心が高まっています。特に、有価証券報告書において人的資本情報の開示が義務化されたことから、人的資本経営の重要性が一層増しています。このような環境の中で、調査は、人材のマネジメントや組織文化の発展に向けた具体的な知見を提供することを狙いとしています。
調査結果の要点
1. 人的資本経営の成果は「個別対応」に基づく
調査結果から明らかになったのは、従業員の心理的安全性、ワーク・エンゲージメント、生産性の認識は、上司の支援や成長の機会を提供する「個別対応」が強く影響しているということです。これは、トップからの一方的な方針の伝達だけではなく、日常的な支援や対話によって、従業員が実感できることが重要であるという証拠です。
2. 効果的な要因の違い
ワーク・エンゲージメントや生産性の認識にはそれぞれ異なる要因が影響を与えています。ワーク・エンゲージメントは、自身の「独自性」を感じることが、また生産性の認識は「価値」を見出すことで高まると考えられます。特に心理的安全性は、個別の配慮が重要で、日々の質の高い対話が必要とされています。
提言
調査を踏まえて、企業が人的資本経営を浸透させるためのいくつかの具体的な提言がされています。これらの提言は次のとおりです。
1. 管理職の日常的な人材マネジメントを明確にし、必要な環境を整えること。
2. 従業員が感じる「独自性」を高める経験を増やすこと。
3. 従業員の「価値」を高め、成長の実感に結びつけること。
4. 心理的安全性を高めるために、質の高い「対話」を促進すること。
5. 浸透の努力を「やっているつもり」で終わらせないこと。
これらの提言は、人的資本経営の成功に向けた基本的な原則を示しており、企業が実行に移すことでさらなる効果が期待されます。
まとめ
今回の調査結果は、人的資本経営が企業に与える影響を明らかにし、企業に必要な実行可能な方策を提供しています。今後の組織運営において、この調査の知見を活かすことが求められるでしょう。詳細な調査内容については、日本生産性本部の公式サイトを参照してください。