NEC、ハワイ大学が米国運輸省の技術コンペで最高位を獲得
NECの関連会社であるNECコーポレーション・オブ・アメリカは、ハワイ大学と共に米国運輸省が実施した「Intersection Safety Challenge」(交差点安全チャレンジ)に参加し、120以上の団体の中から最高位賞であるTier 1を受賞しました。この取り組みは、交通事故による死亡者数をゼロにすることを目指し、交差点における車両や歩行者の危険な状況を認識して対処するための新しい技術を推進するものです。
参加の背景と経緯
これまでNECは、人、都市、モビリティの融合を図る路車協調システムの開発に取り組んできました。国内外での実証を経て、特に米国ではハワイ大学との連携を強化しています。昨年度からは米国運輸省が主催するこの競技に共同で参加し、初めての挑戦となりました。
ISCではコンセプト評価(Stage 1A)とシステム評価(Stage 1B)が行われ、前回のコンセプト評価を通過した15団体が今回のシステム評価に進出しました。その結果、ハワイ大学とNECを含む4団体が最高位賞を獲得することとなりました。
提供された技術の概要
本コンペでは、NEC北米研究所の先進的なセンサーフュージョン技術や生成AI技術が活用され、交通参加者の高精度な検知や危険予測が実現されました。交差点には、LiDARや可視光カメラ、赤外線カメラなど、様々なセンサーが設置され、これらの情報を統合して解析することで、以下の機能が提供されています。
- - 高精度な3次元物体検知と位置推定
- - 車いすやキックボードを使う歩行者など、具体的な属性の判別
- - 検知された物体の経路予測や衝突予測
特に、交通参加者の位置推定の精度や、経路と衝突予測においての優れた分析速度が高く評価されました。
提供技術詳細
センサーフュージョン
複数のセンサーから収集した情報をAI技術で統合し、単一のデータからは得られない高度な情報を生み出します。
3D物体検知
LiDARとカメラ映像を使用し、交差点内の物体の大きさや動きをリアルタイムで検知する技術です。迅速な移動する物体も追跡可能です。
経路/衝突予測
過去の経路や交差点の状況を元に、進行方向や速度を予測します。これにより、複数の物体の同時予測が可能で、衝突のリスクを事前に発見します。
オープンボキャブラリオブジェクト検出
画像とテキストデータの共同学習により、未知の物体クラスを検出可能にします。これにより、事前学習なしで特定の物体をきめ細かく分類することができます。悪条件下でも交通参加者の検出能力を強化しています。
今後、NECはデジタル技術を駆使し、人々が安全に過ごせる環境づくりに貢献していく方針です。