PITTANが1.5億円の資金調達を実施
2024年7月31日、神戸市に本社を置く株式会社PITTANが、微量の汗を分析して体内の栄養状態を可視化する技術の開発に取り組んでいます。その中で、クオンタムリープベンチャーズ、岡三キャピタルパートナーズ、神戸大学キャピタル、京都キャピタルパートナーズを引受先とする第三者割当増資を実施し、合計約1.5億円の資金調達を達成しました。これにより、同社の累計調達額は2.3億円に達しました。
調達の背景と目的
昨今、少子高齢化に伴う社会保障費の増加により、個々の健康管理の重要性が高まっています。特に、データを活用した予防や健康づくりが注目されており、健康寿命を延ばすための未病対策がますます求められています。これに対して、体温や脈拍を測るウェアラブルデバイスが普及していますが、汗などの体液の状態を詳細に把握することは難しいのが現状です。
従来の体液分析方法は、血液や尿を用いるため、侵襲性が高く、身体への負担や高コストという課題があります。また、管理や輸送、廃棄に関する規制も厳しく、煩雑なオペレーションが必要でした。しかし、PITTANはこれらの課題を解決し、非侵襲で簡便な方法で健康状態を分析する新たなスタンダードを確立することを目指しています。
PITTANの技術とサービス
PITTANは、非侵襲でありながら高精度な汗中成分分析技術の開発に注力しており、ユーザーは手軽に自身の健康状態を把握することが行えます。これまで、ユーザーが汗を採取し、同社のラボに郵送して分析を行うという郵送モデルでのサービスを提供し、エステサロンやフィットネスジムとの提携を進め、高評価を得ています。
資金調達を経て、PITTANは「いつでもどこでも誰にでも」というコンセプトの下に、ポータブル分析機器の開発を加速させ、スキンケアやフィットネス分野におけるサービスの幅を広げていく予定です。
投資家の声
新規投資家からは、健康維持や未病対策が重要視される中、PITTANの汗中成分分析技術が持つユニークな特長に大きな期待が寄せられています。クオンタムリープベンチャーズの中澤篤氏は、非侵襲的かつ短時間で栄養状態を可視化できる技術優位性を高く評価し、PITTANの未来に対する支援を約束しています。また、岡三キャピタルパートナーズの高橋知之氏は、マイクロ流体デバイスを用いた新機器の開発に魅力を感じており、これが健康維持の行動変容を促すと期待しています。
一方、PITTAN創業者の辻本和也氏も、テクノロジーによって人々がイキイキと自分らしく生きられる世界を目指すという強い信念を持っており、今回の資金調達によってさらなる発展に繋げていきたいと考えています。将来的には、全世界80億人の体内データを収集することも夢ではないと信じています。
まとめ
PITTANの技術は、健康管理に革命をもたらすポテンシャルを秘めています。今後、より多くの人々がこの革新的なサービスを利用することで、健康意識の向上が期待されるでしょう。特に、非侵襲的な汗中成分分析は、健康状態を気軽にチェックできる手段として、多くの人々に新しいライフスタイルを提供することになるかもしれません。PITTANの今後の展開に注目です。