武蔵野美術大学と株式会社都市テクノの共同研究
2025年からスタートする、武蔵野美術大学と株式会社都市テクノの共同研究が注目を集めている。熊本県天草市御所浦嵐口地区を舞台に、都市と地域が手を組んで新たな産業を生み出すべく、本プロジェクトが立ち上げられたのだ。ここでは、その背景や目的、さらに行われる記念セミナーについて詳しく紹介していこう。
地域が抱える課題
日本全国で進行する人口減少や少子化は、地域経済にも深刻な影響を与えている。特に一次産業に従事する人々が減少し、生産力や自給率が低下してしまっている。この現状では、新しい人材の流入が難しい。若者が地域に移住を希望しても、仕事や住まいの確保ができず、結果的に定住には至らないという厳しい状況が続いている。このような背景を踏まえて、プロジェクトは始まった。
共同研究の目的
本共同研究では、嵐口地区の空き家をリノベーションし、人々が交流し創造できる施設を整備することで地域経済を活性化することを目的としている。具体的には、地域の魅力を高めるために、クリエイティブな人材を呼び込み、持続可能な産業の構築を目指す。地域特化型クリエイティブ企業の創出や、住居環境の整備、地域住民と移住者の交流の場作りも重要なテーマとなる。
自律協生社会の実現へ
本プロジェクトは、「自律協生社会」の実現を見据えたものである。この社会は、個々が自由に生きることができる一方、他者と調和しながらともに繁栄することを目指す社社会である。武蔵野美術大学はこれまで、日本総合研究所と連携してこの考えを基盤とした共同研究を行っており、その理念を基に新たなプロジェクトの展開を図っている。
記念セミナーの開催
プロジェクトの開始にあたり、記念セミナーも開催される。このセミナーは、地域でのクリエイティブを生かした新たな産業創造や人材育成に挑戦している先駆者たちを招き、その意義やポテンシャルをさらに深く探るための場となる。
セミナー概要
- - セミナー名: 第29回Convivi Lab〜夏休み特番〜「地域特化型クリエイティブカンパニーという生き方 ─ みずみずしい土着の創造」
- - 開催日時: 2025年8月5日(火)15:00~17:00
- - 開催場所: 武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス5F
- - 主催: 武蔵野美術大学
- - 共催: 株式会社日本総合研究所
- - 参加費: 無料(懇親会参加費:一般2,000円、学生1,000円)
プログラム内容
15:00 - 共同研究についての説明
15:10 - 地域特化型クリエイティブについて
15:20 - 実践例の発表
16:10 - クロストークによる議論
16:55 - 振り返り
17:00 - 懇親会
セミナー登壇者には、地域づくりの先駆者たちが参加し、新たな視点やアイデアを提供してくれるだろう。この機会に、ぜひ地域の未来について考えるきっかけを得ていただきたい。
おわりに
今回のプロジェクトは、単なる地域振興にとどまらず、クリエイティブな視点を持ちながら新たな価値を創出していく全く新しい試みである。地域に根ざしたクリエイティブな産業の拡大は、人々の生活の質を高め、地域経済を活性化させることにつながるだろう。今後の進展に期待したい。