引退馬の明るい未来を考える
認定NPO法人引退馬協会が発行した新刊『馬の命を守れ!~引退馬協会活動記録~』では、同団体の20年にわたる努力と成果が丹念に描かれています。表紙には競馬界で有名なナイスネイチャが登場し、彼の存在がこの活動の象徴の一つとなっています。
設立の背景と理念
1997年に設立された引退馬協会は、「役に立たなくなった馬は処分されても良いのか?」という疑問からスタートしました。代表理事の沼田恭子氏は馬が人に癒しをもたらす存在であると考え、彼らの余生を支える必要性を感じました。その結果、馬の里親を募る「フォスターペアレント制度」が生まれました。現在では、様々な支援者たちによって12頭以上の引退競走馬が保護されています。
本書の主要内容
この本では、引退馬協会の活動を振り返まり、特に東日本大震災での被災馬救助に関する詳細が取り上げられています。震災後、協会のスタッフたちは何度も被災地を訪れ、必要な支援を行いました。これにより、多くの馬が新しい生活の場を見つけることができました。実際に被災地で目にした現実や苦労を伝えたいという思いが込められています。
各章では出会った馬、里親制度の確立、競走馬の過酷な環境について、また、ハルウララのような思い入れのある馬たちのエピソードが紹介されています。特に、彼女の存在は多くのファンに勇気を与え、その生き様は今もなお人々に影響を与えています。
どのように書籍を入手できる?
本書は、引退馬協会が自費出版したため、書店では取り扱いがありません。購入を希望する方は、同協会に直接問い合わせるか、JRA競馬場や関連施設内のショップ、または専用の馬グッズ店「ホースファクトリー」での購入が可能です。価格は1冊あたり1,800円です。
引退馬を支えるために
引退競走馬の数は年々増えており、全ての馬を保護することは難しいのが現実です。しかし、引退馬協会は「生きられる可能性がある馬を少しでも救いたい」との強い思いを持っています。より多くの人に馬の未来を考えてもらうために、さまざまな啓発活動も行っています。
馬と人との心をつなぎ癒しを提供
引退馬たちが安心して暮らせる場所を提供しつつ、馬とのふれあいを通じて人々が癒される姿が見られるここ。この相互作用が引退馬協会の活動の中心にあります。静かに寄り添うことで、人々に元気を与えてくれる馬たちの存在が、より多くの笑顔を生み出すことを目指しています。
引退馬協会の取り組みや書籍に関心を持つ方が増え、この活動が広がることを願っています。公式サイトをチェックして側面からサポートする手段をぜひ見つけてください。
公式ホームページ:
引退馬協会