順天堂大学、新たな健康医療共創拠点を設立
順天堂大学が全国の大学、企業、自治体と協力し、災害時の健康を守る新たな共創拠点を構築することが決定しました。これは、科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」での昇格に伴い、「災害など危機的状況でもヒト・モノ・ココロがつながる健康医療共創拠点」という名称で、2025年から2035年までの10年間の実施が予定されています。
プロジェクトの背景と目的
近年の災害の頻発により、特に災害時の健康被害が重要な課題となっています。例えば、東日本大震災や千葉県内の台風被害では、身体的な被害にとどまらず、生活習慣病や感染症、ストレスなど二次的健康問題が浮き彫りになりました。これを受けて、順天堂大学の代表プロジェクトは、被災者が健康であり続けられる社会の構築を目指しています。
本拠点では、東日本大震災における住民の声を聞き取ることで、災害時の健康リスクを特定し、長期的な健康被害についての分析を行いました。その結果、今後も大規模な自然災害が予測される中、二次的健康被害を防ぐことが国際的にも重要な課題であると認識されています。
具体的な目標
本プロジェクトの目標には、以下が含まれます:
- - 災害時の健康サポートモデルの確立: 二次的健康被害を防ぐために、次世代型の避難環境と健康サポート体制を整えることが求められています。
- - セルフレジリエンスの促進: 災害時に自分自身を守る力を高めるため、教育やサポート体制を充実させることを目指しています。
また、目標達成に向けては、関連する機関や企業との連携を深め、持続可能な社会を構築するための研究開発が行われます。
参画機関と役割
本プロジェクトには、多様な大学や企業が参加しています。特に、千葉大学や群馬大学、福島県立医科大学などの大学、さらには清水建設やアマゾンウェブサービス、セイコーソリューションズなどの民間企業が名を連ねています。これにより、各機関の強みを活かした効率的な研究開発が期待されています。
未来に向けたビジョン
この共創拠点の最終的なビジョンは、「災害後も誰一人取り残さず、中長期にわたって健康でいられる社会の実現」です。具体的な施策としては、次世代型避難環境の実現や、健康被害の早期予測システムの開発が含まれます。これを通じて、災害時でも安心して生活できる地域社会の実現を目指しています。
取り組みへの期待
今後、本プロジェクトが具体化していくことで、災害時の健康リスクを軽減し、地域の安全と健康を守る新たな枠組みが形成されることが期待されています。順天堂大学は、研究・開発を通じて、私たちの未来をより良いものに変えていく取り組みを進めています。これからの展開に、多くの期待が寄せられています。