丸太打設工法の未来
2025-10-15 14:57:32

丸太打設工法、グッドデザイン賞ベスト100選出の意義と展望

受賞の背景



飛島建設株式会社、住友林業株式会社、そしてミサワホーム株式会社の3社が共同で開発した「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法」が、2025年度のグッドデザイン賞にて「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれました。これは、その年の全受賞対象の中から、特に優れたデザインと可能性を有するものが選出されるものであり、非常に名誉な受賞です。

本工法は、木材の炭素固定機能に焦点を当てた「地中に森をつくる」というコンセプトを基にしています。具体的には、丸太を用いて軟弱な地盤を補強し、その過程で炭素を埋蔵することを目的としています。この取り組みは、気候変動への対策と森林資源の持続可能な利用を同時に実現する画期的な工法です。

適用範囲と実績



この工法は戸建て住宅や集合住宅、また非住宅建築物へ幅広く展開され、さらには「脱炭素社会」の実現に貢献することが期待されています。特に、日本の伝統的な建築技術に基づいたアプローチが高く評価され、古くから使用されている木杭の事例が本工法の信頼性を後押ししています。実際、過去の解体工事における木の杭は、多くが腐食していないことが確認されており、長期間にわたり炭素を貯蔵しつつ改良効果を維持しています。

技術の詳細



本工法の特徴として、丸太を地下水位よりも深く圧入し、その設置の際には特殊な粘土で覆うことで腐朽の防止を行ったり、地盤と丸太、双方の力で構造物を支える点が挙げられます。また、圧入した丸太頭部から基礎までを専用の充填材で締固めることにより、構造物の安定を図っています。これにより、環境に優しい素材を用いることができるだけでなく、長期的な耐久性を保ったまま地盤改良が可能となります。

受賞の意義



グッドデザイン賞は、1957年に創設されて以来、「よいデザイン」の顕彰を行ってきました。近年では、社会課題や環境問題を解決するためのデザインも重視されており、この受賞はまさにその流れに沿ったものです。受賞のシンボルでもある「Gマーク」は、多くの人々に親しまれ、優れたデザインの象徴として広く認知されています。

2025年度グッドデザイン賞の受賞作品は、11月1日から5日まで、東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION2025」にて展示されます。ここでは、受賞作品が広く紹介されることから、多くの注目を浴びることでしょう。

今後の展開



飛島グループは、「循環型社会」の実現に向け、炭素固定効果を基にした地域の森林資源活用を強化しています。また、木質材料を用いた中層ビル建設推進も行い、次世代の建材開発に努めています。住友林業グループは、木材の循環利用を念頭に置き、CO2吸収量を増やす取り組みを進めています。

また、ミサワホームもこれまでのノウハウを活かし、環境に配慮した住まいの提供に注力しています。広範な建設分野への展開を進め、国産材の利用を促進しつつ、持続可能な社会の実現を目指しています。これからも3社は、革新技術を通じて、脱炭素化を加速させる取り組みを続けていくことでしょう。


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会社情報

会社名
住友林業株式会社
住所
東京都千代田区大手町経団連会館8階
電話番号
03-3214-2270

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