地球規模の農業問題に向き合う国際シンポジウム
6月26日、東京大学弥生講堂にて、国際シンポジウム「African Agriculture and the Utilization of Japan’s Newest Technology in the Era of Global Climate Change」が開催されました。このイベントは、アフリカ地域の農業が直面している課題を見つめ、その解決策を模索することを目的としています。このシンポジウムは、アクプランタおよび東京大学大学院農学生命科学研究科の共催により実施されました。
アフリカ農業の現状と課題
近年、地球規模での気候変動が農業生産に深刻な影響を及ぼしており、特にアフリカの農業はその影響を強く受けています。ウガンダやエチオピアなど、アフリカ各国からは政府関係者や研究者が参加し、農業の現状とそれに対する対応策について意見を交わしました。国連やJICAと連携し、様々なステークホルダーの視点からも議論が展開されたのです。
先端的技術の紹介と実例
イベントでは、日本の最新技術がアフリカの農業にどう貢献できるのか、多角的な視点から議論されました。中でも、アクプランタのCEO金鍾明氏が登壇し、同社が開発した乾燥耐性・高温耐性向上の農業資材「スキーポン」の実績について報告しました。スキーポンは、酢酸を利用した農業資材であり、植物の乾燥や高温への耐性を高め、収量や質の向上を図ります。これにより、アフリカにおける水資源の節約と作物の安定供給に寄与することが期待されています。
地点の交流と学び
シンポジウム全体を通じて、アフリカでの作物改良やサステイナブルな農業に関する具体的な実例が紹介され、参加者同士での意見交換が活発に行われました。国際機関による技術支援の重要性やアフリカでの実践の成功事例が共有され、気候変動時代におけるグローバルな協力の可能性が広がりました。
アクプランタ株式会社の取り組み
アクプランタ株式会社は、2017年に理化学研究所の研究員が発表した酢酸を利用した農業資材「スキーポン」を開発しました。この材は、気候変動や減農薬が求められる中で、高温や乾燥に対して強い植物を育てるための重要な技術です。現在、国内外で実証実験が行われ、アフリカのウガンダを含む14カ国での導入が進んでいます。また、受賞歴も多くあり、その技術力の高さが評価されています。
最後に
このシンポジウムは、単なる技術の紹介にとどまらず、気候変動に対する真摯な意思と、農業界が一致団結して課題解決に取り組む姿勢を示す良い機会となりました。今後もこのような国際的な連携を通じて、多様な視点からの解決策が模索されることを期待しています。