熊本ロッキーが挑む食品ロス削減の未来
熊本県上益城郡に本社を構える株式会社ロッキーは、スーパーマーケットとして地域に密着した豊富な商品でお馴染みですが、最近特に注目を集めているのが、AI技術を活用した食品ロス削減に関する取り組みです。2025年の4月から10月にかけて、同社が実施する実証実験は、需給予測型自動発注サービス「sinops-R」を駆使し、食品ロスの大幅減少を狙っています。
実証実験の背景と目的
日本における年間の食品ロスは約464万トン、そのうち約231万トンは事業者から排出されています。この問題を根本から解決するためには、製造や資材調達の過程から見直す必要があります。その鍵を握るのが需要予測の精度です。これまで多くの店舗は、過去の販売データに基づいて仕入れを決定していましたが、正確な需要予測ができなければ、過剰在庫が生まれ、食品ロスに繋がることが避けられません。
ロッキーでは、「sinops-R」を利用することで、製造段階から消費者のニーズに即した形で効率的に商品を提供することを目指しています。具体的には、消費期限に応じた価格設定を行うダイナミックプライシングを導入し、棚の在庫を動的に管理するシステムを確立します。
期待される成果
実証実験の結果、製造段階での食品ロスが3.0%削減され、店舗でのロス率も1.56ptの減少が見込まれています。金額にして約4,400万円のコスト削減効果が預測され、その後のダイナミックプライシングによっても店舗の値引き作業が大幅に効率化されると言われています。このシステムが成功すれば、年間約9,900万円のコスト削減が期待されており、業務効率と環境保護の両立が可能となるでしょう。
実施内容とプロセス
実証実験に参加している企業は、シノプスだけでなく、アールミート、ソリマチ技研、西日本イシダといった多様なパートナーが名を連ねており、それぞれが役割を持って取り組みを進めています。
1.
需要予測情報の共有: 店舗の発注見込みを「sinops-R」によって精細に算出し、PCに情報を共有する形で原材料の仕入れ・製造計画を調整します。
2.
ダイナミックプライシングの実践: 消費期限に基づいた価格設定を自動で行い、値引き作業の負担を軽減しつつ、ロスの発生を抑える仕組みを導入しています。
ロッキーでは、2921年から「sinops」シリーズを28店舗に導入しており、今回の実証実験はその集大成として位置づけられています。
今後の展開と展望
実証実験の成果を受け、今後さらなる食品ロス削減と業務の効率化を目指すボードが策定されています。特に精肉部門へのシステム導入による需要予測情報の本格的な活用が期待されています。さらに、他の店舗への展開を計画しており、鮮魚や日配品など様々なカテゴリでの応用も視野に入れています。
株式会社ロッキーは地域に根ざしたビジネスとして、持続可能な発展を追求しています。AI技術を駆使し、食品ロス削減に挑むロッキーの取り組みは、まさに未来のスーパーマーケットの姿を示しているのではないでしょうか。