南日本放送向けの新たな監視システム導入
鹿児島県を拠点とする株式会社南日本放送(MBC)は、東京エレクトロン デバイス長崎株式会社(以下、TED長崎)による設備監視ソリューション「RMSシリーズ」を新たに導入することが決まりました。この顛末は、放送局の運用において重要な意義を持つものです。
導入の背景
MBCは、地域に密着した放送活動を行うテレビ・ラジオ局であり、長年にわたり放送を支え続けてきました。しかし、市場の変化や技術の進化に伴い、中継局の通信体制の刷新が急務となっていました。特に、2026年3月に「FOMA」通信サービスが終了することから、既存の監視・制御システムの見直しが必要とされていたのです。
また、高齢化が進む技術スタッフの技術継承を図ることや、コスト削減も求められています。こうした状況下で、MBCは汎用性と拡張性を兼ね備えた新システムの導入を決定しました。
提供されるシステムの内容
導入されたRMSシリーズは、情報技術を駆使したインフラを提供し、具体的には以下のような機能があります。
- - ネットワーク対応多点接点監視・制御ユニット「RMS-DIO4816-PI」: このユニットは、ラジオ中継局が必要とする最大48の監視点と16の制御点に対応しており、要求される通信体制を整えています。
- - アナログ入力モジュール「RMS-AI08」: アナログ信号の処理を行うモジュールも採用され、電源の冗長化が実現されています。これによって、停電などの緊急時でも運用が継続できる体制が構築されています。
- - Zabbixとの連携: RMSシリーズはオープンソースの監視ソフトウェア「Zabbix」と連携することで、コスト効果的かつ効率的な監視環境を提供します。これにより、放送機器や電波状態、停電情報を一元的に管理し、異常が発生した場合には迅速にアラートが通知されます。
導入の効果
本システムの導入によって、以下のような具体的な効果が期待されています。
- - 運用負荷の軽減: RMSシリーズはアプライアンス型であるため、メンテナンスが容易です。故障時にもユニット交換が容易で、迅速な対応が可能となります。
- - 技術継承と維持管理の効率化: 社内での技術的知識とノウハウが蓄積され、将来的な運用においてもスムーズに体制を維持できます。
- - コストの最適化: 営業環境の変化に配慮した選択ができるため、適切なコスト圧縮が期待できます。
南日本放送は、この新しい監視システムの導入を通じて、2025年度中にさらに5局への展開を計画しており、今後も技術の高度化に努めていくとしています。講じられた施策を通じて、MBCは引き続き地域に根ざした情報発信をおこない、鹿児島の文化とコミュニティに貢献し続けることでしょう。
展示会情報
この取り組みは、2025年6月に開催される「Interop Tokyo 2025」で展示される予定です。関心のある方はぜひ、会場に足を運んで情報を得てください。このような技術革新は、今後の放送業界に新たな息吹をもたらすことでしょう。 詳しい情報については公式サイトをご覧ください。