神戸市での新たな下水道管調査
今年、神戸市において株式会社Liberawareが独自に開発したドローン「IBIS2」を使用し、公共下水道管の調査を行いました。この調査は、総延長約4,800kmに及ぶ下水道管網を有する神戸市にとって、インフラ点検のあり方を革新する重要な取り組みです。
調査の背景と目的
国土交通省の報告によると、日本全国の下水道管渠の総延長は約50万km、老朽化した管丁目が今後増加する見通しです。特に、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受け、老朽化した下水道管の点検が喫緊の課題となっています。これを受けて神戸市では、従来の目視調査やテレビカメラによる管渠調査を行いつつ、新たにドローン技術を導入する決断を下しました。
ドローン調査の実施
「IBIS2」は口径1,800mmの汚水管内に進入し、作業員が直接立ち入ることなく、ドローンを駆使した調査を行いました。実際の調査では、悪天候による降雨の中でも1日で約600mの撮影に成功し、速度と効率を兼ね備えた結果を残しました。この新手法によって、従来の調査手法との比較に基づき、異常判定のための項目が整理され、より精緻な下水道管の調査が期待されています。
協力者と役割
今回の調査は、神戸市が発注者として下水道管の課題を提示し、大幸道路管理が施工支援を行う形で進められました。Liberawareは請負人として、ドローンの開発とオペレーションの支援を行い、共同作業によって検査結果を神戸市に報告することに至りました。
調査結果の意義
実施された調査を通じて、IBIS2は下水道インフラ点検における新たな標準活用モデルとしての基盤を形成することができました。この成果は、国や地方自治体が直面するインフラの老朽化問題に対して、安全性と効率を同時に両立させる選択肢を提供します。さらに、IBIS2の活用事例が増えることで、点検精度の向上やデータ再現性が問われており、ドローン技術のガイドライン整備に寄与することが期待されています。
将来への展望
Liberawareは今後も、ドローン技術の改良とパートナーとの連携を強化し、下水道管調査の分野での実績を積み重ねていく計画です。2025年の業績に与える影響は軽微とされていますが、必要に応じて適宜情報を発表していく姿勢を示しています。
最後に、株式会社Liberawareは「誰もが安全な社会を作る」というミッションのもと、インフラ点検を革新し、安全で平和な社会の実現に貢献していくことを目指しています。