概要
株式会社読売広告社、都市生活研究所が提案した『シビックプライド調査』は、住民が街に対して持つ「愛着」や「誇り」といった感情を定量化し、自治体の政策や戦略立案に役立つ情報を提供するための新たな指標としての位置付けです。これをもとに、各自治体における地域課題や戦略を見える化するための『まちインサイト5指標』を開発しました。この指標は、全国の居住者を対象にした調査から得られたデータを基にしており、特に人口10万人以上の自治体を対象にしています。
調査の目的と方法
この調査が目指すのは、地域ごとの課題やニーズを明確にし、住民の期待値と現状のギャップを把握することにあります。街の特徴と住民との関係性を多面的に分析したデータは、将来のまちづくりや政策の優先順位付けに役立つことが期待されています。調査はインターネットを通じて行われ、49,778のサンプルから得た結果が用いられました。
まちインサイト5指標の概要
『まちインサイト5指標』は、以下の5つの観点から構成されています:
1.
主人公体験(当事者意識)
2.
自己更新性(成長・刺激)
3.
ストーリー性(地域の物語)
4.
他者承認(外部評価)
5.
誠実性(安心・包摂)
これらの指標は、自治体が直面する課題を具体的に把握できるものであり、施策の効果測定にも寄与します。
調査結果のサマリー
1. 住み続けたくない理由とトップ項目
調査によると、住民が“住み続けたくない”と感じる理由のトップには、「包摂性」が挙げられました。多様な価値観を受け入れ、サポートが求められる人々が安心して暮らせる環境が求められています。この傾向は人口減少対策の重要なポイントとなります。
2. 誠実性と若い世代のニーズ
特に20代から30代の女性にとって、「誠実性」が高く評価される街が求められています。この年代の女性は、自分自身を大切に扱ってくれる街に魅力を感じていることが明らかになり、流山市(千葉県)がその一例として挙げられます。
3. 自己更新性の重要性
20代前半層の人口流出を抑制するためには、「自己更新性」が欠かせません。この世代は、成長や変化を実感できる地域に魅力を感じていることが調査で示されました。
4. 地域の物語の価値
地域独自の文化や歴史を生かす「ストーリー性」という指標では、府中市(東京都)がトップに立ちました。この地域の固有の物語や魅力が地域経済に貢献する可能性を示しています。
まとめ
「まちインサイト5指標」は、住民の心理を可視化するための新しいツールとして注目されています。地域ごとの特性を把握し、実際の政策に反映させるための貴重なデータを提供します。これにより、自治体は、エビデンスに基づいた戦略改善が可能になり、住民にとってより良い環境を整備する助けになるでしょう。従来の客観的指標だけではなく、住民の心の声を数値化することで、これまで見えなかった地域の課題を浮き彫りにし、適切な対策を策定するための基盤を提供しています。