老後の不安、家族との会話不足が示す生活の課題とは
最近、日本では高齢化社会が進行する中、老後についての不安を抱える人々が増加しています。特に、金融的な管理に関しては、多くの人々が
「老後の財産管理について話し合ったことがない」と回答しており、調査結果がその実態を浮き彫りにしています。
調査の概要と結果
この調査は、ベンチャーサポート相続税理士法人によって実施されたもので、対象は全国の50代から70代の男女1,024人です。調査は、2024年4月26日から27日の2日間にわたり、WEBアンケート形式で行われました。
主な調査結果
- - 終活への興味:61.4%が終活の一環として「身辺整理」を希望。
- - 話し合いの不在:71.8%が家族と老後の財産管理について話し合ったことがない。
- - 話しづらい理由:38.5%は「仲は良いが話しづらい」と回答。
- - 認知症への備え:84.1%が家族信託や任意後見制度を検討したことがないと回答。
- - 懸念事項:最も懸念されるのは「介護」「亡くなった後の手続き」「認知症」
家族とのコミュニケーションの欠如
多くの人が老後の財産管理に関する具体的な話し合いを避けていることが明らかとなりました。年代が高まるにつれて、この傾向は強まります。70代でも60%が家族との話し合いを行っておらず、これは深刻な問題です。
さらに、話し合いが行われていない背景には、家族との関係性の良さと財産の話がしづらいという心理的側面が存在しています。読者の中には、こうした状況に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
老後に向けた心構えとして
調査結果では、老後の収入源として「公的年金」が86.2%と圧倒的に多く、次に「自身の金融資産」や「私的年金」が続きます。ただ、老後の生活には計画的な準備が必要で、特に認知症のリスクに備えた支援体制を整えることが非常に大切です。しかし、現状ではほとんどの人がそれについて検討していないというのが現実です。
トラブル回避のために
家族間でのトラブルを未然に防ぐためには、早めに話し合いを始めることが重要です。先に述べたように、多くの人が「介護」に関して不安を抱えていますが、介護が必要となった際の負担が不平等にかかることで、家族間の意見の相違や対立が生じることが往々にしてあります。
仮に対話が難しい場合も、遺言書やエンディングノートの作成など、具体的な行動から始めるのが良いでしょう。これらは遺される家族にとっても大きな助けとなり、負担を軽減することが期待できます。
最後に
老後の不安は、今の私たちの生活の延長にあります。財産管理、家族とのコミュニケーション、認知症への備えと、さまざまな側面から準備を始めることが求められています。今後のために、老後を見据えた計画的な行動を取ることが必要です。そして何よりも、家族とのオープンな対話を重ねていくことが、安心して老後を迎えるためには不可欠でしょう。