共働き家庭の現状と意識調査が示す新たな課題
株式会社マイナビが実施した「共働き世帯の正社員に聞いた仕事・私生活の意識調査2025年(2024年実績)」の結果が公開されました。この調査は主に20~59歳の共働きの正社員を対象に行われ、家庭の経済状況や就業意識について多くの興味深いデータが得られました。
共働き家庭の世帯年収の実態
調査結果によると、共働きの正社員家庭の平均世帯年収は806.4万円で、理想の世帯年収1126.3万円とのギャップは319.9万円に達しています。また、子どもがいる家庭は、いない家庭よりも平均年収が高い傾向が見られました。これは、育児の負担が家庭の収入に影響を及ぼすことを示しています。
家計の圧迫感
調査の中で、共働き正社員の46.0%が「家計が苦しい」と回答しました。家計が苦しいと感じる家庭の年収は716.7万円で、これは家計が安定していると感じている家庭よりも170.4万円も低い結果でした。経済的な困難を実感する家庭が増えていることは、今後の家庭の経済運営に影響を与えるでしょう。
家計管理のスタイル
興味深いことに、共働き正社員の約4人に1人はお小遣い制度を取り入れて家計を管理していることがわかりました。この制度は主に50代で高い割合を示しており、年齢が上がるにつれて浸透しているようです。また、20代の共働き者の中で奨学金返済を行っている人が多いことも示されており、経済的な負担が特に若い世代に影響を及ぼしています。
男女の役割分担と出世意欲
男女間の出世意欲にも明確な違いが認められました。全体の56.1%が役職についていないと回答し、特に女性は71.0%が役職を持たないという結果が出ています。一方で、出世意欲を持つ男女の割合には差があり、男性が33.6%、女性が24.2%という結果で、出世したい理由には能力を追求する声がありました。対照的に、出世したくない理由の中には「責任が重くなるだけ」といった現実的な意見も見られました。
調査から考えること
総務省のデータによれば、2024年時点で共働き家庭は1300万世帯に達する見込みで、ますます増加することが予想されます。今回の調査からは、経済不安が共働き家庭において深刻な問題となっていることが浮き彫りにされました。家庭内での役割分担や、社会の中で無意識に根付く偏見が、男女の出世意欲や年収に影響を与えていることも分かりました。
このような状況下で、各家庭が描く理想はどのように変わっていくのでしょうか。「本当にどう生きたいのか?」という問いを持つことで、自分のキャリアや生活に対する満足度を高める一歩になるかもしれません。
今後もこのテーマについて考え続けることが重要です。私たち一人一人が直面する現実を理解し、建設的な議論を重ねることが求められています。