東京ガスとSCREENが新技術「PEXEM」を量産体制整備
東京ガス株式会社とSCREENホールディングスが共同で開発した水素生成技術「PEXEM®」(ペクセム)の量産体制が整いました。この技術は、水電解装置の中心部品である触媒層付き電解質膜であり、グリーン水素の低コスト生産に貢献することが期待されています。新たな量産設備により、年間2GW相当の生産が可能になり、今後の需要の増加に応じて最大6GWまでの拡張も視野に入れています。
背景と共同開発の経緯
東京ガスは、2021年にSCREENと協力し、燃料電池の開発で培った技術を基に、水電解用の触媒膜を共同で開発してきました。このトピックは、特に2025年2月に新しい水素関連事業のための施設が彦根事業所内に完成することで加速しました。経済産業省の支援を受けて、新工場には水電解用のCCM量産設備が設置され、商用供給が始まります。
量産体制の強化
このたびの量産体制の確立により、国内外からの需要に柔軟に対応できるようになります。具体的には、5,000 cm²の大面積のCCMを安定的に供給できる能力を持ち、これによりグリーン水素の普及が加速されるでしょう。
今後、価格競争力を強化し、国内外の市場での展開を促進することが目指されます。SCREENが製造を担当し、東京ガスが販売を行います。両社は、これによってエネルギー業界でのリーダーシップを確立するとともに、より持続可能な社会の実現に向けて貢献していく考えです。
エネルギー企業の未来
東京ガスグループは、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みも行っています。この「PEXEM®」の展開を通じて、よりコスト効率的な水素製造を進め、環境に優しいエネルギーの普及が加速することが期待されています。また、東京ガスは創立140周年を迎え、未来に向けた挑戦を続けています。
一方のSCREENは、社会的な課題解決を視野に入れ、サステナブルな経営を推進しており、CO2排出量削減を目指しています。今後も科学的根拠に基づいた活動を展開し、持続可能な社会の実現をサポートしていくでしょう。
この新技術「PEXEM®」は、世界初のエネルギー企業としての水電解用CCMの商用供給を実現し、両社の切磋琢磨が水素利用技術の拡大につながることに期待が高まっています。