慢性腎臓病ガイド
2023-12-11 16:00:01
新たな国民病、慢性腎臓病に向けた生き方を伝えるガイドを発表
慢性腎臓病(CKD)の現状
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓機能の慢性的な低下を示す病気であり、日本国内で約1330万人がかかっているとされる。この数字は成人の約8人に1人に相当し、まさに新たな国民病と呼ばれるにふさわしい。2021年末の時点で透析治療を受けている患者も約35万人に達しており、高齢化や糖尿病によってその数は増え続けている。これに伴い、医療経済への影響も深刻で、国際的にも注目される社会問題としてCKDへの対策が求められている。
自己管理の重要性
CKDは「沈黙の臓器」とも称され、自覚症状がほとんどないため、診断を受けるきっかけは健康診断や他の病気の治療時が多い。そのため、患者自身が自己管理や病気に関する知識を身につけることが非常に重要であり、これが難しい状況を生み出している。これは特に、自覚症状が少ないため、患者が自発的に取り組むことが難しいという課題が存在するからだ。
このような課題を解決するために、「患者と医療者がつくった腎臓病とのつきあい方ガイド<基本セット>」が作成された。このガイドは、CKDに関する特性を考慮し、情報を生活に取り入れやすくする工夫が施されている。
ガイドの内容
このガイドは、2023年4月から10月にかけて行われたアンケートに基づいている。この期間に約600名のCKD患者からの貴重な意見を集め、心の健康に関する調査では、89%の当事者が自己管理に不安や悩みを抱えていることがわかった。ガイドの特徴は、生活に役立つ情報に焦点を当てたもので、デジタルツールが苦手な方でも家族や医療者と共有しやすい印刷物として提供されていることだ。
基本セットの内容
このガイドは、以下の9つのテーマで構成されている:
1. 腎臓の働き
2. CKDの段階と治療
3. 腎臓の検査
4. 腎臓をいたわるポイント
5. 腎臓病の食事療法の基本
6. 減塩のポイント
7. 毎日の血圧測定
8. 腎臓病の薬物療法の基本
9. あなたのこころの現在地(病気を受け入れるプロセス)
このようにシンプルでわかりやすい情報が9枚のシートにまとめられており、壁に貼って指標にしたり、家族と話し合いながら活用できる。
じんラボの活動と未来
じんラボは、腎臓病患者への情報提供と支援を目的とするサイトで、これまでの10年間の活動を通じて、多くの知識や情報を提供してきた。今後も「患者と医療者がつくった腎臓病とのつきあい方ガイド」のシートを段階的に公開し、包括的な取り組みを続ける予定だ。特に2025年4月までにおよそ80枚のシートを提供し、医療機関や地域での啓発活動も展開していく。
この取り組みにより、腎臓病患者が自立した生活を送れるよう、今後も努力していく所存である。病を抱える人々が少しでも快適な生活を送れるよう、情報とサポートを届けていくことが目標だ。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人ピーペック
- 住所
- 東京都世田谷区南烏山6-33-1サンライズプラザ501
- 電話番号
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03-6279-5669