NTTドコモビジネスの新たな挑戦
近年、企業が社員の成長を促進するために多様な社外研修を取り入れる中、特に注目されているのが“留職”プログラムです。このプログラムは、社員がNPOや他の組織での課題解決に取り組むことを通じて、スキルや視野を広げることを目的としています。今回は、NTTドコモビジネスの社員が、特定非営利活動法人SALASUSUでの1年間の留職を通じて得た経験と成長についてお話します。
社外OJTとしての留職
福岡県北九州市に本拠を置くNPO法人SALASUSUは、特定非営利活動法人クロスフィールズが展開する留職プログラムに参加しています。ここで受け入れられたのはNTTドコモビジネスの社員、木俣さん。彼は約1年間、NPOのプロジェクトに取り組んでおり、社会課題の解決だけでなく、自身の成長にも努めています。
クラウドファンディングの挑戦
木俣さんが留職初期に関わったのは、クラウドファンディングのプロジェクトでした。この取り組みは、非営利団体にとって重要な資金調達手段であり、彼はプロジェクトリーダーとして発信の側面でも奮闘しました。まだ団体のビジョンや活動内容を十分に理解できない中での挑戦には苦労が伴ったものの、発信を通じて魅力をどのように伝えるべきかを常に考え続けました。
異文化協働の実体験
カンボジアにも足を運び、現地のスタッフとの共同作業を通じて新たな学びを得た木俣さん。カンボジアでの活動では、組織の運営基盤を整えることを目指し、改善点の検討やガバナンス強化のプロジェクトに取り組みました。文化や働き方の違いに戸惑いつつも、「SALASUSUをより良くしたい」という共通の目標が心を通じさせる瞬間もありました。
NPOでの気づき
留職の経験を経て、木俣さんは企業とNPOの働き方の違いに対する新たな理解を得たと語っています。前職ではメンバーのマネジメントに重きを置いていましたが、NPOでは限られた人員と資源を活用してプロジェクトを進めるという異なる挑戦が待っていました。また、少人数でも継続的に働き続けられる体制をつくることが、成果に等しく重要であると痛感したとのことです。
自己成長と将来の展望
当初感じていた「自分の貢献度への不安」を克服する中で、木俣さんは教育への情熱を持つ仲間たちとの出会いが自己成長に繋がったと強調しています。さらに、留職後は自身の経験をもとに企業が社会課題にどのように取り組むべきかを伝える意義を実感し、社会のニーズを捉えつつ、より良い企画を生み出したいと考えています。
企業とNPOの共創
“留職”は、社員が現場での実践を通じて社会課題に対する理解を深める新しい形の人材育成方法として注目されています。NTTドコモビジネスの木俣さんの挑戦は、企業とNPOが共に成長するための示唆を与えています。SALASUSUの代表者は、企業とNPOの協働を通じて社会課題解決に向けた新しい価値創造の可能性を信じています。
このように、共に学び、成長しながら、社会に貢献するための道筋を築くことができる制度や取り組みの広がりを期待しましょう。