日立ソリューションズ、クラウドデータのセキュリティ対策を強化する新ソリューションを提供開始
近年、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、基幹システムや業務システムのクラウド移行が加速しています。その結果、顧客情報や個人情報、重要な設計図といった機密データがクラウド上に保管されるケースが増加しており、サイバー攻撃によるデータ流出リスクへの懸念が高まっています。さらに、経済安全保障の観点からも、企業データの保護は喫緊の課題となっています。
このような状況の中、日立ソリューションズ株式会社は、クラウドデータのセキュリティ対策を強化する新たなソリューションとして、「Fortanix Data Security Manager」の販売を開始しました。このサービスは、Fortanix社が開発した高度な暗号化技術と鍵管理機能を活用し、クラウド上の企業データを堅牢に保護します。
Fortanix Data Security Manager:データを守るための堅牢なセキュリティ
「Fortanix Data Security Manager」は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなど主要なクラウドサービス、SalesforceやServiceNowといったSaaS(Software as a Service)を含む125以上のサービスに対応しています。このサービスの最大の特徴は、顧客自身が暗号鍵を管理できる点です。つまり、データの暗号化と鍵の管理を顧客自身が行うため、たとえクラウドサービスプロバイダーや第三者による不正アクセスが発生しても、データの閲覧を阻止することが可能になります。
さらに、オンプレミス環境との連携にも対応しており、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境においても、一元的なデータ保護を実現します。データの保管場所を問わず、常に高いセキュリティレベルを維持できる点が大きなメリットです。
高いセキュリティ基準と信頼性
Fortanix社は、PCI-DSS、ISO 27001、CIS、SOC-2 Type 2など、数々の国際的なセキュリティ認証を取得しています。「Fortanix Data Security Manager」は、米国連邦標準規格のFIPS 140-2レベル3に準拠したHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)をデータセンターに設置し、SaaSとして提供されるため、高い信頼性とセキュリティが担保されています。
また、NIST(米国国立標準技術研究所)が2024年8月に決定した耐量子暗号の標準アルゴリズムのうち、2つをすでにサポートしているため、将来的な量子コンピュータ技術の進化にも対応できる高い先進性を備えています。
経済安全保障への貢献
2023年5月に成立した経済安全保障推進法では、重要インフラの安全性確保に向けた対策が求められています。企業データの保護は、経済安全保障上、非常に重要な課題です。「Fortanix Data Security Manager」は、この課題解決に貢献するソリューションとして、注目を集めています。
日立ソリューションズのセキュリティへの取り組み
日立ソリューションズは、長年培ってきたセキュリティ対策のノウハウと、ホワイトハッカーを含む高度な専門知識を持つセキュリティエキスパート集団を擁しています。コンサルティングからシステム構築、運用・保守、インシデント対応まで、包括的なサービスを提供することで、顧客企業のセキュリティ対策をトータルに支援しています。
「Fortanix Data Security Manager」の提供開始は、日立ソリューションズのセキュリティ対策への積極的な取り組みを示すものであり、企業のDX推進と経済安全保障の両立に貢献する、重要な一歩と言えるでしょう。